C10. 子どもに「ほら、言ったでしょう」と言わないようにしよう!

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花賀 咲象

花賀 咲象

 学習塾指導歴は学生アルバイトの時も含めて通算31年で、現在では教室管理とカウンセリング業務を主に行っております。家では心理カウンセラーとnoteや本の執筆活動を行っているところです。
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【子育て編】

 教育・心理カウンセラーで自己啓発作家の花賀作象です。前回【子育て編】第9回の内容は「子どものために親自身が勉強を好きになろう!」で、子どもが勉強を好きになるためにはどのようにすれば親自身が勉強を好きになって親子共に勉強に取り組めるようになるかについて述べていきました。

 今回は「子どもに『ほら、言ったでしょう』と言わないようにしよう!」になります。子どもがやろうとしていることに対し、その方法では確実に失敗することが分かっている場合にたいていの親は「それはやめたほうがいい」というアドバイスをしますよね。ただ、それでは子どものほうが納得がいかず、それを無視して自分のやり方で進めたとき、親が言った通りの結果になってきます。そのとき親から出てくる言葉が「ほら、だから言ったでしょう」と親の言う通りにしていればそんな失敗はしなかったと言わんばかりのことを言いますよね。しかし、ここで子どもが納得するかといえばそうではありません。親の言う通りにするどころか親の言うことなんか聞きたくないという感情すら芽生えてきます。ここからはなぜそのような状況になっていくのかということと、その状況に陥っている時にどのようにすれば子どもとの関係性が改善されるかについて述べていきますよ!!

「ほら、言ったでしょう」は誰のため?

 まず、考えていただきたいのが「ほら、言ったでしょう」という言葉は誰のために言っているかということです。親としては「子どもが同じ失敗しないように本人に分からせるため」と答えるかと思います。すなわち「子どものため」ということですよね。実はここに大きな間違いがあるのです。

 あなたは自分がした失敗に対して他人から「ほら、言ったでしょう」と言われたらどんな気持ちがしますか?ほぼ間違いなく怒りやイライラの感情しか起こらないかと思います。なぜそう思ってしまうのでしょうか?

 それは「ほら、言ったでしょう」という言葉の裏側には「自分がいかに正しかったかを相手に主張するため」の目的があるからです。ですから「ほら、言ったでしょう」を別の言葉で言い換えると、「私が言ったことが正しかったのよ」とか「あなたの考え方は完全に間違っていたのよ」となるわけです。つまり、言われたほうの考え方を完全に否定しているのです。だからこれを言われたほうは腹が立ってくるのです。

 結局「ほら、言ったでしょう」という言葉は、子どものためを思って言っているわけではなく、「自分が正しい」という自尊心を満たすため、すなわち親が「自分のために」言っているということなのです。

代わりの言葉

 では、「ほら、言ったでしょう」の代わりのどんな言葉を言えばいいのでしょうか?本当は子どもが自分がこうしたいというやり方を言ってきたときに「それは失敗するからやめたほうがいいよ」などという言葉を最初から言わなければ問題にはなりません。しかし、それを言ってしまった以上、子どものやる気をなくさせないような言い方をすることが望まれます。

 であればどのような言葉が相応しいのでしょうか?それは「私があんなことを言わなければよかったね。ごめんね」という心から謝罪する言葉になります。その言葉を言うことによって子どもは自分がやったやり方が良くなかったことを自ら認めるようになるのです。

子どものやり方を尊重して認める

 子どもが自分でその方法でやってみたいと言ったときは、たとえそれが失敗すると分かっていても認めるべきです。変にアドバイスをしてその通り失敗するとその時点でやる気は喪失します。「ほら、言ったでしょう」という言葉は火に油を注ぐ形になり、ただでさえ落ち込んでいるのに親の正しさを押し付けられて腹が立つのに加えてもうそれを挑戦しようとする意欲も失ってしまうのです。

 だからこそ、子どもが本気でそれをやってみたいと思っているのなら、結果は分かっていたとしてもそれを最大限に尊重して認めるべきなのです。

子どものやりたいやり方を認めることが意外な結果を生む

 最近の子どもは完璧主義が多いと言われています。というのは親が子どもに何でもかんでもさせようとしているからです。その反面、何でもかんでもすぐにダメだと思ってしまう傾向もあります。これは完璧にこなせないことに不安を覚えてすぐに自信喪失してしまうからです。そうなると自己肯定感も低いものになり、失敗に対する恐れも大きいものになります。そういう中で自分で「こうやってみよう」とか「こうしてみたい」というやり方が思いついたとしても、それに対する失敗の恐れは既に抱いているのです。ここで親が「そのやり方では失敗するよ」と言ってしまおうものならもう失敗のイメージが完全に頭の中でできあがってしまいます。そのために親の言った通りの失敗をするわけです。

 これがもし、子どもの意思を尊重して「自分が思った通りにやってごらん」と言った場合はどうなるでしょうか?こうなると子どもは自分のやりたいと思っていたやり方が認められてやる気満々の状態になっています。そんな中で子どもがそれに挑戦したとしても、大半は親が経験したのと同じ失敗をするかと思います。しかし、100%そうなるとは限りません。意外な結果が出ることもあるのです。

 たとえば、子どもが剣道をやっていたとして、来週の試合で今まで一度も勝ったことがない相手に勝つと子どもが言いだしたとします。これを聞いた親は「現段階では厳しいな」などと思ってしまうかと思います。ただ、そういうことは言わないで「いいね。その意気で全力で練習をするときっと勝てるよ」と言ったとします。そうなると子どももやる気満々の状態で練習に励みますよね。そうすると試合ではだいたいいい結果になるものです。その勢いで試合に臨むと本当に勝つこともありますし、勝てなかったとしてももう一歩のところだったという結果が得られたりするのです。このようにあなたも失敗すると思っていたのがそうではなく意外な結果を得た経験をしたことがあるのではないでしょうか?

子どもの成功を心から信じる

 子どもが自分の思うやり方で伸び伸びと行えるようになるためには、親自身が子どもの成功を心から信じる必要があります。ここでいう「成功を心から信じる」とは、「成功したら信じるけど失敗したら信じない」という条件付きのものであってはいけません。たとえ「子どもが何回失敗してもそこから立ち上がって成功することを信じる」ことを言います。こういう親の思いは子どもに挑戦する意欲を掻き立て、失敗から早く立ち直る強い精神力の養成にも繋がってきます。ですからあなたもぜひ子どもの成功を心から信じてあげるようにしてください。それにより、それまで子どもとの関係性が悪かったとしても良い関係性に改善されるようになりますよ。

 以上になります。今回は子どもに事前にアドバイスしてそれに失敗したときに「ほら、言ったでしょう」などという言葉を言わないようにするにはどうしたらよいのかについて述べていきました。失敗したときに子どもに「ほら、言ったでしょう」と言うのは、親の自尊心を満たしているだけで子どもにはダメージしか与えないことを自覚する必要があります。そしてそもそも子どもが思うやり方に口出しして「そのやり方だと失敗するよ」などと言わないことが大事になります。どういう結果になろうと親自身が子どもの成功を心から信じ、子どもがやりたいと言っていることを後押しする姿勢こそが子どもを大きく成長させるのです。ですからあなたもご自身の子どもが成功することを本気で願うなら、ぜひ成功することを心から信じるようにしてあげてください。ではまた次回お会いしましょう!!

 

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