【子育て編】
教育・心理カウンセラーで自己啓発作家の花賀作象です。前回【子育て編】第15回の内容は「自分の意見が言える子に育てよう!」で、どのようにすれば自分の意見がはっきり言えるような子に育てられるのかについて述べていきました。
今回は「理科が大好きな子にしよう!」になります。理科はたいてい担当教師の人柄や教え方によるところが大きい教科になります。ですから理科を担当している教師のことが嫌いだったり、教え方が面白くないとそれだけで理科が嫌いになるのです。ただ、だからといって学校の教師のせいにしてばかりでは子どもは理科が嫌いなままになってしまいます。
一方で理科は最も日常生活に密着した教科でもあります。親が子どもにお家にあるものや周りのもので理科的なことに触れることで、子どもは理科に興味を持つようになってきます。ここからは、お家でどのようなことをすれば子どもが理科という教科を好きになって成績を伸ばしていくことができるかについて述べていきますよ!!
身の周りは理科だらけ
ところで、家にあるものだけを見ても理科的なもので溢れているという意識はありますか?たとえば、お湯を沸かせば「水の温度変化」が起こりますし、「水蒸気が発生(水が液体から気体に変化)」します。水を冷凍庫に入れると水の温度変化で氷になり、「液体から固体」に変化します。エアコンをつければ「暖かい空気は上昇」し、「冷たい空気は下降」します。食べる料理は、「炭水化物・タンパク質・脂肪」の三大栄養素が含まれています。それを食べればそれぞれの栄養素は「消化酵素で分解」されます。電気のスイッチを入れると「電流が流れて」電灯がつきます。
いかがでしょうか?ここまで述べると「そんなに理科的なもので満たされていたんだ」ということに気づくかと思います。普段意識しないだけで、実は日常生活に関することの大半は理科的なもので溢れ返っているのです。ですからまずは親であるあなたがこういう意識を持ってください。
仕組みを知る
これで日常生活で見られるものの大半が理科的なものであることはご理解いただけたかと思います。ただ、だからといってこれをこのまま子どもに言ってもあまり意味がありません。たとえば水の温度変化なら「水は冷やせば氷という固体になるし、熱すれば水蒸気という気体になるよ」と言っても、「そんなの知っているよ」で終わります。
すなわち子どもでも知っていることを言ったところで子どもには何の感動もないということです。ではどのようにすればいいのでしょうか?それは親であるあなたがもっとこの仕組みについて勉強する必要があります。勉強するといっても物理・化学・生物・地学の研究者レベルまでやる必要はなく、中学生レベルで十分です。
たとえば前述の水の温度変化を挙げるなら、世の中の物質というのは温度変化で「固体→液体→気体」と変化するものが非常に多いことも理解しておくのです。すると、鉄なら融点が約1538℃、沸点が約2862℃になりますから、鉄を熱して約1538℃に達すると液体に変化し、約2862℃に達すると気体に変化するということを学習するのです。
すると子どもに「氷を熱すると水になるよね。鉄を熱するとどうなると思う?」といった質問ができるようになるのです。すると子どもはいろいろ想像します。「熱くなる!」とか「形が変わる!」などという感じのことを言ってきます。「実は水みたいに液体になるんだよ」と言うと子どもは「え!そうなの?」とビックリします。ここで実際にそうなる動画などを見せてあげると「え、本当だ!すごい!」と感動するのです。これで「物質の温度変化」について学ぶことができ、かつ子どももこれに興味を持つようになるわけです。
このように親であるあなたがまずは日常生活が理科的なもので満たされていると理解したら、その仕組みを自分で学習してからそれを子どもに伝えるようにするのです。それによって子どもはそれに感動し、その理科的な物に興味を持つようになってくるのです。
日本人のノーベル賞受賞者の大半は理科系
日本人がこれまで受賞してきたノーベル賞は、どういう分野でどのくらいの人や団体が受賞したかご存じですか?それは物理学、化学、生理学・医学、文学、平和の各分野で、31名と1団体が受賞しています(日本出身で受賞当時外国籍だった3名も含む)。そのうち自然科学(理科系)の分野で27名を占めています。主な受賞者を挙げますと、まずは1949年日本人初のノーベル賞を受賞した湯川秀樹は絶対に知っておくべきでしょう。素粒子論で中間子を予言しノーベル物理学賞を受賞しています。
最近の事例で見てみると、2012年にiPS細胞の発明でノーベル生理学・医学賞を受賞した山中伸弥、2014年に青色発光ダイオードを発明でノーベル物理学賞を受賞した赤﨑勇・天野浩・中村修二の3名、2019年にリチウムイオン二次電池の開発でノーベル化学賞を受賞した吉野彰は押さえておきたいところです。これらの発明は日常生活にかなり密着しているのをご存じですか?特に青色発光ダイオードは現在家庭で普通に使われているLEDの電球そのもので、LED電球は従来の電球と比べて省エネ性能が非常に高いですよね。
またリチウムイオン二次電池は小型・軽量で高容量、長寿命かつ高出力を実現する充電式電池であることをご存じの方も多いかと思います。この電池は従来の乾電池やニッケル水素電池に比べて高いエネルギー密度を持ち、同じ体積でより多くの電気を蓄えられます。そのため、スマートフォン、ノートパソコン、電動自転車、ハイブリッド車、そして電気自動車などで使用され、今や生活に欠かせないものになっているのです。
いかがでしょうか?日本人が発明をしてノーベル賞を受賞したものはこのように今や日常生活に普通に存在するものになっています。まさに日常のものは理科的なもので溢れている状態になりますよね。こういった話を子どもにしてあげるだけで、子どもは理科が大好きになっていきますよ。
以上になります。今回は理科が大好きな子になるためにはどのようなことをすればいいかについて述べてきました。
理科や社会は「暗記科目」だとされ、重要語句等を覚えさえすれば点が取れるものだと思っている人は現在でも非常に多くいます。これは暗記を良しとする詰め込み教育を受けてきた我々の世代が親の立場になっていることが最大の原因と言えます。しかし、こんな暗記中心のやり方では理科の面白みを全く理解できないばかりか、暗記が苦手な子はますます理科嫌いを促進することになります。
現在では中学入試も高校入試も大学入試も非認知能力、すなわち暗記では対応できない「説明が求められたり自分の意見が求められる問題」が増えています。子どもがこうした非認知能力を身につけていくためには、普段の日常生活に存在しているものからその面白さを見出して勉強に繋げていくのが最も良いやり方になります。
ですから自分の子どもを理科好きにするためにも親自ら理科が大好きになり、日常生活にあるものからどんどん子どもに話をすることを強くお勧めいたします。
今回述べた内容は理科が大好きな子にするには家庭で具体的にどのようなことをすればいいかについて述べてきました。
親が日常生活の理科的な知識を得るための勉強をし、それをただ伝えるだけでなく、子どもに考えさせることで興味を持たせていくことが大事になります。そして日本のノーベル賞受賞者の大半は自然科学(理科系)で、その発明は青色発光ダイオードやリチウムイオン二次電池など、生活に密着したものも多いことを子どもに話してみるのです。すると、もしかしたら「僕(私)もノーベル賞を取ってみたい!」なんてことを言い出すかもしれませんよ。理科が好きになって子どもにこういう夢を持たせるのもいいですね。そのためにもぜひあなたの子どもを理科が大好きな子に導いてあげてください。ではまた次回お会いしましょう!!

花賀咲象