37. トレードオフを行おう!

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花賀 咲象

花賀 咲象

 学習塾指導歴は学生アルバイトの時も含めて通算31年で、授業もこなしながら、カウンセリング・コーチング業務も行っております。
 このブログは自己啓発本を読んだだけでは分からない経験的・実践的な内容を加味して書いています。ですからみなさんが今後経済的に豊かになりたいという人生の目標の達成に必ず貢献できる内容になっているという自負があります。ですからぜひこのブログを毎日読み、日々成長することに努め、自分の人生に生きがいを持てるようにしていきましょう!

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 教育・心理カウンセラーの花賀作象です。前回は自己暗示の威力の活用していくためのエクササイズをやっていきました。今回は「トレードオフを行おう!」になります。トレードオフとは、四字熟語の「一得一失」と同じ意味で、「何かを得れば何かを失う」という意味になります。何事をなすにしても複数のものを同時に得ることは難しいもので、もしここで欲張ってそれらのものを同時に得ようとすると、結局何も得られない状態、すなわち「二兎を追う者は一兎も得ず」の状態になってしまい、あなた自身はそこから何も得られないばかりか損失を招いてしまうことになってしまいます。ここでトレードオフをいかに活用していくが重要になるわけですが、今回はどのようにトレードオフを実行すればうまくいくかについて述べていきますよ!

トレードオフとは

 仕事上のトレードオフは、「何かを選んで何かを捨てる」ことを意味しています。ここで重要なのは「何を選ぶか」あり、これがきちんとなされるには、選ぶ対象にきちんと優先順位をつけておく必要があります。

 たとえば、会社内で進めていきたいと思っているプロジェクトが5つあったとします。できればこの5つを全て同時に始めていきたいと思っていますが、今社内にいるスタッフの中でそのプロジェクトを進めることができる人員や会社から出ている予算を考慮に入れると、それはかなり厳しい状態で、せいぜいできて3つが限界だったとします。すると、5つの中から3つのプロジェクトを選び出し、2つは捨てなければなりませんよね。まさにこれがトレードオフです。

優先順位をつける

 前述のプロジェクトの例でいくと、トレードオフを実行するためには5つのプロジェクトに優先順位をつけなければなりません。優先順位は、基本的に緊急性と重要性の2つが考慮されて決定されます。優先順位のつけ方については、スティーブン・R.コヴィーの著書である「7つの習慣」で、「緊急かつ重要」、「緊急ではないが重要」、「重要ではないが緊急」、「緊急でも重要でもない」の4つの領域に分けることが紹介されています。これについては、私のブログの「23. 仕事ができる人になろう!」で詳細を紹介していますので、こちらを参考にして優先順位のつけ方をマスターするようにしていただければと思います。

 そのようにして優先順位をつけることができれば、あとはその中から3つ選びだせば、トレードオフは終了です。そこからは無事その3つのプロジェクトを進めることができるというわけです。

 もし、「これに優先順位はつけ難いのでどれもやっていきたい」「人員や予算はこれらを走らせているうちに何とかなるだろう」という甘い見込みで、5つ全て同時に進めていったらどうなるでしょうか?

 それは間違いなく破綻します。もともと人員も予算も足りないわけですから、それを進行しているうちにどこからか調達される保証などあるわけがなく、結局どのプロジェクトも中途半端で終わってしまい、それまでのスタッフが働いた時間と会社の予算を全てどぶに投げ捨ててしまう形になってしまうわけです。

 以上により、きちんと優先順位をつけた上でトレードオフを行うことがいかに大事であるかがお分かりいただけましたね。

個人で行うトレードオフ

 前述の例は会社が行うトレードオフについてのものになりますが、個人についても同じことが言えます。それは自分の普段の業務においてもそうですし、また、自分の自己啓発に関してもそれが言えます。

 しかし、そもそもトレードオフが起こる状況というのは、どちらも捨てがたい状況があるときになります。たとえば、一生懸命働いて高い給料をもらうかそれとも長い休暇を取るかとか、大変な作業をしているスタッフを手伝うかそれとも自分の休憩時間を優先するかとか、自分の就業時間が終わる直前にかかってきた電話をとるべきかそれとも帰るのを優先すべきかなどです。どちらもやっておきたいと考えるなら、両方とも「イエス」と答えたくなってしまいますよね。

 ところが、実際はそんなことはできません。これを何とかして両方ともやろうとすると、前述の5つのプロジェクト同時に進行させることで結局破綻してしまったように、どちらもダメになってしまいます。すなわち「二兎を追う者は一兎も得ず」になってしまうのです。

 となると、どちらを引き受けるか決めてしまう方が賢明なやり方になります。それにより、捨てるものが存在する分だけ痛みを伴いますが、それ以上の望みを得る可能性の方が大きくなるのです。また、そこにある選択肢を比較検討することによって、自分の本当の望みが何なのかが分かるようになってきます。自分の本当の望みが分かってきたら、捨てても差し支えないものも分かってきます。

 社会人の方の中には、仕事をしながら何か資格を取るための勉強をしている人もいるかと思います。もし取りたい資格が複数ある場合、どれも捨て難いと全てを勉強していたら、どの資格の勉強も中途半端になり、結局どの資格も取れなくなることは容易に想像できますよね。一方で、この中で自分が本当に取りたい資格は何なのかが分かり、それ1本に絞って勉強したらどうでしょうか?それはその資格試験に合格する可能性がかなり高まってきます。したがって、自分が本当に望むものを基準にしていけば、トレードオフは迷うことなくバッサリと行うことができるというわけです。

 以上になります。今回はトレードオフをどのように行っていくかについて述べていきました。どちらも捨てがたいものの選択を迫られたときは、誰でも迷うことが出てきます。これを自分が本当に望むものを基準としたトレードオフで、何かを選んで何かを捨てることができれば、あなたが本当に望むものを手に入れることができるようになります。自分の望みをかなえるためにもトレードオフは常に行うようにしてください。では、また次回お会いしましょう!!

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