【子育て編】
教育・心理カウンセラーで自己啓発作家の花賀作象です。前回【子育て編】第13回の内容は「家庭は『小さな社会』だと意識しよう!」で、親が子どもにとって家庭は「小さな社会」であることを認識する大切さについて述べていきました。
今回は「文章力のある子に育てよう!」になります。最近の入試は非認知能力を問う問題が増えてきていることは前にも申し上げました。非認知能力が問われる問題というのは自分の意見とか考え方を述べる問題が多いので、結局必要なのは文章力ということになります。文章が苦手だという子どもは非常に多いですが、ここからはどのようにすれば子どもの文章力がついていくかについて述べていきますよ!!
読書をしない子が増加傾向
日本の子どもの約半数が平日に読書をしておらず、読書時間は過去10年で減少傾向にあります。東京大学社会科学研究所とベネッセ教育総合研究所が共同で実施した調査によると、2022年の調査データとして小学1年生から高校3年生の全体では49.0%が平日に読書をしない(「0分」)と回答する結果だったとのことです。そして上の学年に上がるほど読書をしない子どもの割合が高くなっています。
これはスマホ使用の影響をかなり受けていると言えます。ベネッセ教育総合研究所の調査によると、2015年から24年にかけて、小4~6生では22.4分、中学生では51.9分、高校生では42.5分、1日あたりのスマホ使用時間が増加しています。スマホ使用の時間が長いほど読書の時間も減る傾向にあり、2024年の調査では1日の中で読書を「しない」(0分)という回答は52.7%(2024年)と半数を超えています。10年前(2015年、34.3%)と比べて読書を「しない」層が1.5倍に増加しているのです。
読書量と文章力の相関関係
読書量と文章力には深い相関関係があります。まず、読書をすることで文章の「型」や構成、表現などが目に入ってきます。ただ読書をするだけではこれらを身につけることはできません。文章をまねたり参考にしたりして「実際に自分で書いてみる」ことによって身についていきます。ということは普段読書をしていて、日記などを毎日書いている子どもはかなりの文章力を持っているということです。ですから文章力をつけるためにもまずは親であるあなたが率先して読書するようにし、その上で子どもにも読書するように勧めてあげてください。読書の効用や楽しさを親自身が分かっていたら子どもにそれが伝わりやすくなります。それをしないで子どもの文章力をつけさせる目的で子どもに読書を勧めても、本が嫌いな子どもがそれに応じることはありません。まずは親自身が本そのものを好きになり、読書をする楽しさを自分で見出すようにしてください。
言葉遊びをする
とはいえ、子どもに文章をつけさせるために読書以外に何をさせたらいいのかについてはかなり頭を悩ませますよね。大半の子は文章を書くのが苦手ですから、いきなり「作文を書いて」と言ってもそれを拒否されてしまうのがオチです。
ということはまずは第一段階として子どもに文章を書くことへの抵抗感をなくさせるためにも言葉そのものに慣れ親しませるようにするのです。たとえば子どもに「ある質問をしてそれをダジャレで返すゲームをしよう」と提案するのです。そして子どもに「じゃあ『この銅像を見てもいい?』と言ってみて」と言います。子どもがそれを言ったら親の方は子どもに「どうぞ(う)」と答えるのです。すると子どもも笑って楽しそうにします。すると今度はそれを「私(僕)が作ってみたい」と言い出しますよね。そうなったら占めたものです。これをするには自分でダジャレになる文章を考えなければいけませんから、文章力や表現力、そして発想力が鍛えられるわけです。子どもはこういう言葉遊びが大好きです。ご家庭でもぜひやってみてください。
短文を書く
子どもの書く文章は結構長いものが多いです。たとえば、「○○は、~して、~もして、~はしなかったけど、~はやりました」という感じです。長い文章というのは主語と述語の不一致を招きやすく、ダラダラ書くので何を言っているのか分からない文章になりがちです。たとえば次の文章を見てください。
私のおばあちゃんは今日小学校の見守りの登板だったので帰りに出会い、そのときに「宿題が終わったらうちにおいで」と言ってくれたので、宿題をすぐに終わらせておばあちゃんの家に行き、おばあちゃんが買ってきてくれたケーキはとてもおいしかったです。
いかがですか?言おうとしていることが何とか分かりますが、これは主語と述語が完全に不一致の状態になっています。主語は「おばあちゃんは」で、述語は「おいしかったです」になります。これを繋ぐと「おばあちゃんはおいしかったです」の文章になり、明らかに日本語として変であることが分かりますよね。これを短い文章に切ったものにすると次のようになります。
私のおばあちゃんは今日学校の見守り当番でした。そのため学校の帰りにおばあちゃんに出会いました。そのときにおばあちゃんが「宿題が終わったらうちにおいで」と言ってくれたので、宿題をすぐ終わらせておばあちゃんの家に行きました。そこでおばあちゃんが買ってきてくれたケーキはとてもおいしかったです。
いかがでしょうか?前述の文章よりスッキリして読みやすい文章だったのではないかと思います。このように分を短く切るというのは主語と述語を一致させ、非常に分かりやすい文章になるのです。ですから分かりやすい文章が書けるようになるためには、こういう短文を書くことを心がけることが大切になります。
短文を書く練習をする
では、子どもにどういう練習をさせたら文章が上達するのでしょうか?それは子どもに題目を与えて短文を書く練習をしてもらうことです。たとえば「〇年生になっていちばん楽しかったこと」を前述の短文にすることをしっかり伝えた上で作文を書いてもらうのです。字数は指定しなくていいです。まずは自分が思う通りのことや自分が書きたいことを中心に書いてもらうようにするのです。すると、子どもも筆を走らせることができるようになります。というのも自分が書きたいことならどんどん思いついて書くことができるからです。作文が書けたらぜひそれをじっくり見てあげてください。ここで大事なことはまずは「褒める」ということです。「上手な文章が書けているね」とか「こんなにたくさん書けたのはすごいね」という具合です。その上で改善すべきことを「○○を~するともっといい文章になるよ」と言ってアドバイスするのです。アドバイスを言うときのポイントは「~はできていないね」といった否定的な表現は一切使わないことです。否定的な表現は子どものモチベーションを下げます。必ず肯定的な表現を使い、「~するとさらに良くなるね」という言い方でアドバイスするようにしてください。
さらには「将来どんな人になりたいか」とか「中学校(高校)に進学したらどんなことをやってみたいか」など、実際の入試の作文でも取り扱われているような題目も出してあげるとよいです。こうした文章を書くことで、たとえ自分が将来何をしたいのかがぼんやりしていたとしても、それをいろいろ調べているうちにその将来像が明確になってきます。すると子どものモチベーションも上がってくるようになってくるのです。
最近は非認知能力が問われる入試問題が増加傾向にありますが、結局こういう自分の将来像とか自分のやりたいことを文章化できる力があれば、こういった非認知能力を問う問題にも対処できるようになるのです。ですから子どもの非認知能力を高めるためにも子どもに題目を与えて短文を書く練習をぜひ取り入れてみてください。
以上になります。今回は子どもの非認知能力を高めるには文章力をつける必要がありますが、具体的にどのようにすれば文章力がついていくかについて述べてきました。
文章力をつけるための土台として読書は必須です。まずは親が率先して本を読み、子どもに読書する楽しさを伝えて子どもに読書を勧めるようにしてください。
その上で言葉遊びなど、言葉そのものを使って文章化する楽しみを子どもに味わってもらいます。そして題目を与えて実際の文を短文で書く練習をすることで、文章はどんどん上達するようになってきます。その子どもが書いた文章を親がじっくりと見てまずは褒め、改善点を肯定的な言葉でアドバイスすることでますます子どもの文章力は上がってくるようになります。
今回述べた内容は最近話題の子どもの非認知能力を高め、文章力をつけさせるために非常に大切なことを述べています。ぜひ実践して自分の意見や考えを文章で伝えることができる子どもに育ててください。ではまた次回お会いしましょう!!