【子育て編】
教育・心理カウンセラーで自己啓発作家の花賀作象です。前回【子育て編】第7回の内容は「指示ができる子に育てよう!」で、なかなか自分から率先して動かない子をどのようにすればリーダーになりたいと思うようになって人に指示できる子になれるかについて述べていきました。
今回は「日本の歴史が語れる子にしよう!」になります。自国の歴史を語れるというのは国際社会においては極めて重要なことで、大半の国は自国の歴史を「自国のお国自慢」として語るところがあります。ですからもし子どもが留学などで外国へ行くようなことがあったとき、日本の歴史が語れないとその他の外国人留学生と会話ができなくなってしまう状態に陥ってしまうのです。すなわちこの国際社会の中では国内外を問わず、「日本人である以上は日本の歴史が語れて当然」というレベルにしておく必要があります。ここからは歴史が嫌いあるいは苦手だという子どもでもどのようにすれば日本の歴史が好きになり、日本の歴史を生き生きと語れるようになるかについて述べていきますよ!!
歴史は暗記科目ではない
昔と比べると今の入試は1問1答形式が減少し、思考力・判断力・表現力が問われるようになり、随分と難しくなってきました。すなわち暗記だけで対応できる問題が減少し、自分で考えて答える問題が増加してきたということです。大学入試も共通一次試験、大学入試センター試験の頃までは暗記で対応できた問題も現在の大学入学共通テストでは対応できなくなってきているのです。大学入試でこうした傾向が出てきたことから、高校入試、中学入試でも思考力・判断力・表現力が問われる問題が増加するようになったのです。
私たちが子どもの頃を思い返してみると、暗記に頼る学習がかなり多かったように思えます。英単語、英文法、古文単語、古典文法、数学の公式、理科・社会の用語がこれにあたります。その中でも特に社会(地理・歴史・公民)は暗記科目の最たるものと言われ、とにかく「覚えろ!」という一点張りの教育がなされていました。ただ暗記するだけの勉強なんて本当に面白くないですよね。これがまさに社会それも歴史が嫌いになる子どもを増加させた原因だと言えます。その一方で歴史のエピソードを語る教員からの指導を受けてきた子は歴史好きになっていったかと思えます。
私は子どもの頃から歴史まんがを繰り返し読み漁っていて、「歴史=物語」という認識でしたから歴史をすごく面白いと思い、自分から進んで勉強していました。人物名や時代、事件名を覚えるというよりは「次はどうなるのか知りたい!」という、まさに物語を読むかのごとく「この先どうなるかを知りたい!」という強い意欲を持って自分でいろいろ調べながら進めていたのです。だから学校の先生から「何でそこまで知っているの?」と聞かれていたくらいです。まさに暗記に頼るだけの勉強と意欲を持って自分で深く掘り下げて進める勉強とでは格段の差がついてしまうと感じた瞬間でした。ここから考えても歴史はまさに物語的に捉える科目なのであり、暗記科目ではないということが分かるかと思います。
子どもは試験に出ない話をすると喜ぶ
私は現在、学習塾でカウンセラーや成績管理、営業など管理業務的な仕事が中心になっているので、生徒に直接教える講師の仕事はしていないのですが、私の講師時代に以下のようなことがありました。
中学生に社会を教えていたのですが、私は授業用のレジュメを作成して生徒に配布し、試験に出る大事なところを穴埋めしていく形式をとっていました。授業をこの形にしたのは、そのレジュメに書いていない話を授業でするためです。その話はどの人物がどのようにしてこれを成功させたかの方法を私がその人物を演じながら物語的に話をしていたのです。これは大当たりでした。今まで歴史が好きでなかった子も「面白い!」と言って歴史が好きになるようになり、私が担当しているクラスは全員が宿題をただやるだけでなく、間違い直しまできちんとやってきていました。私の授業が面白いと他のクラスでも評判になり、教室の外から先生や生徒のギャラリーが見学に来ていたほどです。その甲斐もあって、模試の成績も私が担当しているクラスの社会の平均点がどんどん上がり、社会だけになりますが上位のクラスの平均点を上回ったこともありました。
この経験を通して私は子どもは教科書やレジュメに書いていない内容の話をすごく喜んで聞くということを実感しました。学校の試験や入試に出てくる大事な内容は教科書やレジュメを見れば分かりますが、そこには書かれていないエピソード的な話こそ、その科目の面白さを伝えるものになるのです。エピソード的な話は当然学校の試験や入試には出ませんが、むしろ子どもはそういう話を聞きたがっているのです。試験や入試に出てくるところを授業でしたとしても子どもが面白くないと思えば勉強しません。逆に試験に出ない内容を授業で話をしてそれを面白いと思ってくれたら、子どもは自分でその科目の勉強を進めるようになります。ここから考えても私たち大人は子どもに勉強の大切さを教えるよりも勉強の面白さを伝えることが大事だと分かりますよね。
親が日本の歴史をもっと勉強する
子どもが歴史を語れるようになるためには、歴史そのものを好きになる必要があります。そのためには親自身が歴史を好きになることが必須です。ここで、歴史の記述問題でよく登場する問題を実際に見ていきたいと思います。
「織田信長・徳川家康連合軍と武田氏(武田勝頼)との戦いを何というか?」と聞かれると、小中学校で習った歴史を覚えていれば「長篠の戦い」と答えられるかと思います。さらに記述問題になると次のようなことが問われます。「長篠の戦いで織田・徳川連合軍が武田氏に勝てたのはなぜか?」です。これに対して簡潔に答えられますか?答えは「大量の鉄砲を用いて効率よく攻撃できたから」になります。ここでのエピソードを申しあげますと、戦国時代で大阪にある堺の町は戦国大名を排除した自治都市として栄えていました。そこには会合衆(えごうしゅう)と呼ばれる豪商が中心となって町を治めており、町には鉄砲を作る鍛治技術の下地をもつ職人も多く存在していました。そのため、堺で大量の鉄砲が製造され、これに目をつけたのが織田信長だったのです。信長は堺の町そのものを手に入れるために堺の町衆に対し軍用金として2万貫(現代の金額で約2億4000万円)を要求したのです。当然のことながら堺はこれを断ってきたので、信長は1万の軍勢で堺を包囲し、堺を降伏させます。これにより信長は堺から2500挺、他から500挺の計3000挺の鉄砲を手に入れたと言われています。ただし、資料の「信長公記」には長篠の戦いで使用した鉄砲は「1000挺以上」と記載されており、この3000挺というのは後世の誇張の可能性が高いとも言われています。ただこの当時、織田信長ほど鉄砲を大量に保持していた大名が他にいなかったことは事実です。
当時、武田信玄が築き上げてそれを継承した武田勝頼の率いる騎馬隊は「天下無敵」とも呼ばれ、まともに騎馬同士の戦いで挑めば、織田・徳川連合軍の方が兵力が大きかったとはいえ(織田・徳川連合軍約3万8千、武田軍約1万5千)、武田軍に勝てる保証はどこにもありませんでした。だからこそ信長はそういう戦いを避け、大量の鉄砲を使った攻撃に切り替えたのです。それによって天下無敵と謳われた武田の騎馬隊は、これでもかというくらいコテンパンにやられてしまいました。これはまさに織田信長の戦略(計画)・戦術(行動)がともにそれだけ見事だったということを物語っていますね。
ここまでの話をご覧になっていかがでしたか?面白いと感じたのではないでしょうか?そうなんです。日本の歴史は面白いのです。こういうことは当然のことながら教科書には出てきませんし、塾や予備校のテキストにも出てきません。にもかかわらず、ここまでの話の内容を知ると、「歴史は本当に面白い」とか「歴史をもっと学びたい」と思うようになりますよね。これが大事なのです。歴史を「年号を覚えろ!」とか「人名、事件名を覚えろ!」などとただの暗記科目にしてしまうと、これほどつまらないものはありません。ですから親であるあなたはぜひ歴史を学び直してみてください。手ごろなのは歴史まんがです。これは図書館で気軽に借りられますし、まんがなのでストーリーも頭の中に入りやすいです。この歴史まんがはバカにできませんよ。小学生向けのものですが、大学入試にも通用する部分が数多く存在します。実際、私も小学生の頃にこの歴史マンガを読み漁っていたことから、大学入試の日本史でも9割取ることができました。この歴史まんがのいいところは、歴史をただの暗記ではなく、物語として捉えられるところにあります。面白く読めてかつどんどん歴史の大事な部分が頭の中へ自然に入っていきます。歴史が苦手な方はぜひこの歴史まんがから歴史を学び直してみてくださいね。それによって親自身が歴史を好きになれば、その話を聞いた子どもも歴史を好きになり、歴史を語れる子になっていきますよ。
以上になります。今回は子どもがこの国際社会の中で外国の子どもと同様に自国の歴史を堂々と語れるようになるにはどうしたらいいのかについて述べてきました。
前述したように子どもが日本の歴史を好きになって日本の歴史を語れるようになるための最も手っ取り早い方法は、親自身が日本の歴史を好きになることです。そのためには親が日本の歴史を学び直す必要がありますが、前述したように歴史まんがを読んでいくのがいちばんお勧めです。その他、NHKの大河ドラマを見るのもいいですし、時代劇を見るのもいいかと思います。とにかく、歴史そのものを好きになるものを積極的に見ていくのは非常にいいことになります。まんがやテレビだと親子で一緒に見れるという利点もありますから、ぜひ親自らが率先して日本の歴史が好きになるように勉強し直していただければと思います。
今回述べた内容は、子どもが日本という国に誇りを持ち、他国の子どもと同様に自国の歴史がしっかりと語れるようになるために非常に大事なことになっています。ぜひ実践して親自身も子どもも日本の歴史を楽しんで語れるようにしてください。ではまた次回お会いしましょう!!