C12. 子どもの非認知能力を鍛えよう!

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花賀 咲象

花賀 咲象

 学習塾指導歴は学生アルバイトの時も含めて通算31年で、授業もこなしながら、カウンセリング・コーチング業務も行っております。さらに最近では本を出版するための執筆活動も行っているところです。
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【子育て編】

 教育・心理カウンセラーで自己啓発作家の花賀作象です。前回【子育て編】第11回の内容は「『褒めて伸ばす』は正しいやり方で行おう!」で、子どもに対しどういうタイミングでどう褒めれば子どもを良い方向に伸ばせるかについて述べていきました。

 今回は「子どもの非認知能力を鍛えよう!」になります。非認知能力とは、学力テストやIQでは測れない、人生や社会での成功に直結する心の力や行動力のことをいいます。数値化できる認知能力とは異なり、意欲・忍耐力・自己制御・協調性・創造性・コミュニケーション力など、人間としての総合的な力を指します。ただ、このように言うとちょっと難しい感じがしますよね。もっとかみ砕いた表現で申し上げると、非認知能力とは「自分の才能を生み出す能力」だと言うことができます。「意欲」、「やる気」、「コミュニケーション」がその最たる例です。この非認知能力は学校での勉強だけではなかなか身につけることができません。そこでここからはどのようにすれば子どもの非認知能力を鍛えることができるかについて述べていきますよ!!

非認知能力を使う入試問題の増加

 大学入試も2021年から大学入学共通テストになり、従来の共通一次試験や大学入試センター試験の時とは違い、思考力・判断力・表現力といった非認知能力を使って解くような問題が増加しました。これに伴い、高校入試や中学入試においても思考力・判断力・表現力が問われる問題が増えてくるようになったのです。これは、暗記力や計算力といった認知能力さえあれば解ける単純なものではありません。今まで見たことがないような問題であっても自分の中で与えられた情報を整理し、その中で生じた自分の考えをまとめて記述する力が必要になってくるのです。まさにこれこそが入試で問われる非認知能力なのです。

完璧主義は非認知能力の育成を妨げるもの

 日本も少子高齢化がかなり進んでいますが、その影響で子どもの数もだんだんと減ってきています。そうなると親としては「子どもに成功してほしい」という気持ちが強くなる傾向が出てきます。そのため、失敗をさせないように「~するように」とか「~してはいけない」などの指示が出されるようになってきます。すると、これによってうまくいくことが多くなってきて、それが当たり前になってくるのです。つまり「うまくいくのが当たり前」の状態です。そうなると失敗することを恐れるようになります。そのような状態で本当に失敗しようものなら、たとえようもない恥ずかしさが自分の中で込み上げてきます。ここでさらに輪をかけて周りからその失敗を笑われようものなら、恥をかいたことに耐えられず気持ちがどん底にまで陥ってしまうのです。

 これはまさに親が子どもに失敗をさせないように先回りした指導をした結果、それが裏目に出てしまった状態といえます。すなわち「失敗しないのが当たり前」という言わば完璧主義の子が増加していることを物語っているのです。完璧主義の考え方になってしまうと、失敗したことを自分の力で何とかしようという気持ちは湧き上がってきません。すなわち非認知能力が育っていかないのです。非認知能力には、どんな困難な問題に対してもその状況を冷静に分析し、「前向きな気持ちで」必要な情報や物を集めて解決していく問題解決能力が含まれます。特に大事なのが「前向きな気持ちで」の部分で、これがあるからこそ困難な問題でも解決に向かっていくことができるわけです。完璧主義の考え方では、「自分ができなかった」という失敗に対して「恥ずかしい」という気持ちしか湧き上がってきません。だからこうした完璧主義の考え方を持つことをまずは親からやめる必要が出てくるのです。

子どもに失敗させるのはいいこと

 失敗をするというのはどうしてもよくないイメージがありますが、まずはここから考え方を変えていく必要があります。「失敗は成功のもと」という言葉にもある通り、失敗することは成功するための踏み台になってきます。失敗の数が多いほど踏み台も多くなってくるので、それだけ土台がしっかりしてくるのです。実際、今社会で成功をしている人たちは数多くの失敗をしてきています。それがあるからこそ「こうすれば成功できる」という道筋を「自分で見つけることができる」ようになったわけです。

 ここでよく考えていただきたいのですが、親が最初から「こうすれば失敗しないよ」と常に伝える状態で、子ども自らが成功の道筋を見つけられると思いますか?それは大変厳しいということはよくお分かりかと思います。だから子どもに失敗させることはいいことなのです。失敗することにより子どもはそこから「どうやったらうまくいくのか」を見出していくようになるのです。

子どものやり方を尊重する

 子どもが何かするときに「~というやり方でやってみたい」ということがあるかと思います。こんなときに「それはうまくいかないからやめたほうがいい」と言っていませんか?これはよくないです。子どもがやってみたいやり方を自分から言ってきたなら、親はそれが失敗すると分かっていても「いいと思うよ。やってみてごらん」と背中を押すべきなのです。すると子どものモチベーションは確実に上がります。それで本当に失敗したとしたらさすがに子どもも落ち込むかと思います。しかし、自分がやりたいやり方でやったので立ち直りも早くなります。そのためにもその失敗した時の親の声かけは大事です。「ありゃりゃ、うまくいかなかったね。ということはこの方法ではダメだということを自分で学んだのだからすごくいいことをしたんだよ。また別の方法を考えてごらん」という具合です。そうすると子どもは気を取り直して別の方法を前向きに考えるようになりますよね。このように子どものやり方を尊重し、失敗してもそれを肯定する親の姿勢はかなり大事になってくるのです。

子どもに考えさせる指導

では、実際の入試で非認知能力を使った問題がどのような形で出てくるかと言いますと、簡単に言えば「あなたの考えを書きなさい」という形で出てきます。実際中学入試においても表やグラフを用いた問題が増加し、受験者にその説明を求めたり自分の考えを書かせる問題が増えてきています。これは従来の暗記力や計算力だけで対応できない「正解のない問題」なのであり、こうした非認知能力を小学生の段階から養っていく必要性が出てきているのです。

 そうなると、子どもに「~するように」と予めやり方を指示するのではなく、子ども自身にやり方を考えさせていく指導がかなり重要になってくるというわけです。

普段の会話から変えていく

 子どもに何か説明をするとき、「○○は~して、~をやって…」という感じで一方的に話をしているところはありませんか?これをしてしまうと、子どもは自分で考えることがなくなってしまいます。親が子どもに何か説明する時は、「子どもに説明させる」ような質問を振ることが大事になってきます。たとえば、姫路城の説明をするときにまずは「姫路城は別名白鷺城とも言われる白く美しい城で、世界遺産にも登録されているよ」と一方的に言うのをやめます。ではどのように説明するかと言いますと、「姫路城は別名何と言われているか知っている?」と子どもに質問を振るのです。子どもが「白鷺城」と答えたら、さらに「よく知っているね。じゃあ何で白鷺城と言われているか知ってる?」と聞くのです。するとよく知っている子なら「白くて美しい城だから」と答えますよね。こんな感じで親が説明しようとしていることを子どもに質問を振ることで子どもにそれを言わせるのです。こうした子どもに考えさせて説明させていくことは非認知能力を鍛えるのにかなりの効果があります。これだけにとどまらず、さらに子どもに「他に姫路城について何か知っていることはある?」と聞いてみるのもいいです。最近はAIの発達で子どもも自分で調べる機会も多いですから、大人が知らないことまで知っていることがあります。すごい子は歴代の城主をすべて知っていたりしますからね。このように普段の会話から子どもに考えさせ、子どもに説明を求めていくことは子どもに「もっと調べてその部分が分かるようになりたい」という意欲を生み出すことになります。これはまさに非認知能力を養っていくことにほかなりません。子どもの非認知能力を鍛えていくためにもぜひやってみてください。

 以上になります。今回は最近入試でも増えている非認知能力を使った問題に対応するためにも子どもの非認知能力をどのようにして鍛えていくかについて述べていきました。

 ただ最近の少子化の影響で、親が子どもに失敗させないような先回りした指導をする傾向があり、それが完璧主義の子どもの増加に繋がっています。完璧主義は「自分ができる」という考え方が前提になっているので、みんなの前で「できない自分をさらす」ことはありえないことです。そうなると何かで失敗してできない自分をさらけ出したときは、「恥をかいた」という気持ちが人一倍強くなり、なかなか立ち直れなくなるのです。当然「そこから立ち直ろう」とか、「この失敗を糧に頑張る」といった意欲は湧き上がってきません。意欲は非認知能力の1つになりますが、完璧主義では非認知能力は育っていかないのです。

 だから子どもには幼いころから「失敗から学ばせる」ことが重要になってきます。つまり子どものやり方を尊重して自分からどんどん挑戦させていくのです。そうなると当然失敗の数も多くなりますが、まさにこれこそが大事なことなのです。数多くの失敗を積むと、子どもは失敗に対する恐れを抱かなくなります。さらには親自身が何かで失敗したら子どもの前で笑い飛ばすようにするとよいです。こうすることで失敗しても恥ずかしく感じることがなくなります。すなわち恥をかかなくなるということです。これはまさに非認知能力の1つの忍耐力が鍛えられたことを意味しているのです。

 今回述べた内容は、子どもの非認知能力を鍛えるためにもかなり重要なことを述べています。ぜひ実践して子どもの非認知能力を鍛えてあげてください。ではまた次回お会いしましょう!!

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