教育・心理カウンセラーの花賀作象です。前回は間違いを認める勇気を持つためのテーマをやっていきました。今回は「自己暗示の威力を活用しよう!」になります。同内容のことは私のブログ「7. 自己イメージを変革しよう!」で触れていて、ここでは自分のネガティブなイメージから自分の理想の姿のイメージに転換することを述べていきました。今回はみなさんが普段陥りやすいことにも触れながら、それをどうやって克服するかについて述べていきますよ!
目次
最大の批判者は自分自身
「最近どうもうまくいかない」…そう感じることはありませんか?スランプは誰にでもあります。予定外のことが入ってきて頭を悩まされる時も出てきます。そんなとき、あなたはどのようなことを考えますか?「もうダメだ!」とか「うまくいく気がしない」など、否定的に考えたりしませんか?
このようにうまくいかないことが続くときは、誰でも心の中が不安定になりがちです。こんなとき、自分への最大の批判者は「自分自身」です。辛いときに誰かから批判的な言葉をもらうと誰でも打ちのめされる気持ちになりますが、それに追い打ちをかけているのが他でもない自分自身になるのです。「自分は何てダメな人間なんだ!」、「自分には才能がないのではないか?」、「もう今度という今度はダメだ!」、「もう取り返しがつかない!」、「もうどうしていいのか分からない!」という感じで、否定的な自己暗示をかけてしまっているのです。
批判の裏側には肯定的意図がある
ではここで、過去に自分が大失敗したときのことを思い出してみてください。自分の心の中でどんな声が聞こえましたか?悲しみに満ちていましたか?批判的でしたか?怒りに満ちていましたか?それとも諦めたような感じでしたか?
大半の人は、自分の心の中でその声が聞こえるというだけでその声に耳を傾けてしまいます。ここで考えていただきたいのが、批判とは本来建設的なものでなくてはならないということです。
確かに、批判には他人の人格を否定するものだったり、その人の名誉を棄損するものなど、建設的でないものも数多く存在しています。しかし、批判的な声の裏側にはたいてい、その人が「もっと良くなってほしい」とか、その人に「もっといいものを作り上げてほしい」といった「肯定的意図」があるものです。
たとえば、会社で上司が部下に「前に教えたのにできないんだ!やる気があるのか!」とか「前にも同じことを注意しただろ。いい加減にしたらどうだ!」などと怒鳴りつけるように言った場合、確かにこのような言い方をする上司には問題がありますが、その問題は今回は置いておくとして、その上司は部下を打ちのめすことを目的に言ったのではなくて、「部下にきちんとできるようになってほしい」という肯定的意図を持っているから言ったということを忘れてはいけません。
自分の心の中も子どもに教える感覚で
ここで、小さな子どもが新しいことを学ぶときのことを考えていただきたいのですが、何も分からなくて躊躇している子どもに対し、「こんなことも分からないのか!」とか「何でこんなこともできないんだ!」と怒鳴りつける人はいないかと思います。もしそんなことをしようものなら、子どもはたちまちのうちに泣き出して自信をなくし、もう二度とそれをやろうとは思わなくなってしまうことが目に見えているからです。
こういうときは、励ますような口調で、どうやったらうまくいくかとか、どの点に注意したらいいかなどを優しく教えますよね。これを自分の心の中で行う、すなわち励ましの言葉を自分自身にかけていくようにするのです。これこそがまさに自分にかけるべき「肯定的な自己暗示」になるのです。
肯定的な自己暗示をかけるためのエクササイズ
それでは、今から自分が失敗した時にどのようにして自己暗示をかけていくかのエクササイズをやっていきますよ!!
①まず、大失敗または失敗をして自己嫌悪に陥ったときのことを考えてみましょう。そのとき、自分の心の中でどういうことを自分に言ったのかを思い出してください。
②次に、その批判的な言葉の裏側にはどういう肯定的意図があるかを考えてください。
③次に、もし子どもがそういう状況に陥っていたらどういう励ましの言葉をかけてあげるかを考えてください。
④さらにどうやったらうまくいくのか建設的な言葉も考えてみてください。
⑤場面を自分に戻し、先ほど考えた励ましの言葉と建設的な言葉を自分自身にかけてみてください。
いかがでしたか?あなたのやる気はアップしてきたのではないでしょうか?自己暗示もこのように活用すれば、あなたのモチベーションは高められ、やる気に満ちた毎日を過ごすことができるようになります。今回のエクササイズは、何かで失敗したときにはぜひ活用してみてください。
以上になります。今回は自己暗示の威力を活用することについて述べていきました。やはり誰でも失敗したときは多少なりとも沈んだ気持ちになります。ここで自分を批判する言葉をかけて否定的な暗示をかけるのではなく、励ましや建設的な言葉をかけて「肯定的な暗示」をかけることが大切になります。たったこれだけのことをするだけで、あなたに見える世界はまるで見違えるように良くなってきます。
ですから、この暗示の力を今回のエクササイズを通して肯定的に利用するようにしてみてください。では、また次回お会いしましょう!!