教育・心理カウンセラーの花賀作象です。前回は、「私がやらなければならない」と変な義務感を持っているとストレスが溜まっていったり、どんどんそのような業務を抱え込んでしまうことになることから、どのようにすればそういう変な義務感を持たずに仕事ができるようになるかについて述べていきました。
今回のテーマは「自己暗示の力を利用しよう!」になります。あなたは普段自己暗示を自分で意識してかけていますか?自分で意識して自己暗示をかけている人はなかなかいないかと思います。しかし、自己暗示は自分が知らず知らずのうちにかけてしまっていることが多いです。たとえば「月曜日っていつも調子悪いんだよね」とあなたが思っていたとします。これは「月曜日は調子が悪くなる」という自己暗示をかけてしまっています。だから毎週月曜日の調子が悪くなるのです。では、ここからは自己暗示をどのように活用していけばいつも調子のいい自分にしていけるかについて述べていきますよ!!
目次
自己暗示とは
そもそも自己暗示とは何なのでしょうか?これには意識的な自己暗示と無意識的な自己暗示の2種類があります。
積極的な自己暗示とは、「私はこういう人である」という理想の姿を自分から積極的に頭の中で繰り返し考えることによって、自分を理想の姿に持っていく自己暗示のことを言います。たとえば、本番でどうしても成功したいときに「私は本番に強い」「私は本番に強い」…とまるで呪文のようにこれを繰り返し唱え、自分を本当に本番に強い人にしてしまうのがまさにそうなります。
無意識的な自己暗示とは、その考え方が頭の中で定着していて、無意識に出る言葉で自己暗示をかけてしまう自己暗示のことを言います。たとえば、「しんどい」という言葉がすぐ出てしまう人は、毎日しんどいことが多くて頭の中も「しんどい」という言葉で満たされていることからついこの言葉が出てきて、さらにはこの言葉でまた「しんどい」という自己暗示にかかってずっとしんどい思いが続く状態になるということです。
思考の悪い習慣をやめる
前述の「月曜日っていつも調子が悪いんだよね」とか、「雨が降ると調子が狂うんだよね」みたいなことを普段言ったり思ったりしていませんか?これはあなたの頭の中でそれを頻繁に思考してしまっているので、その意識が潜在意識の中に入り込み、それがパターン化してしまっているのです。だから毎週月曜日には調子が悪くなったり、雨が降ると調子が狂ったりするのです。ですからこのような考え方をする癖をやめるようにしなければなりません。そして代わりに逆のことを考えるようにするのです。「月曜日はしっかり休養も取れたから絶好調になるぞ!」とか「雨が降ると建物の中でゆっくりできるからいい休憩時間が多めにとれるぞ!」という感じです。このような思考に変えていくと、今度はこれが実現していきます。月曜日は絶好調になり、雨の日は休憩がしっかりとれて調子が良くなるのです。ですから今までこうした思考の悪い習慣が身についてきてしまっていた人は、今日からは真逆のことを考えて唱えるようにしてください。
マイナス思考の口癖を直す
これは無意識的な自己暗示のところで述べていますが、日頃から頻繁に「しんどいな」とか「だるい」とか「やってらんないよ」などのマイナス思考の発言を無意識に行っていると、ずっとその状態が続きます。こういうマイナス思考の口癖があるということは、あなたの意識が完全にマイナス思考になっています。すると、何をするのも億劫になり、基本的に物事に対するやる気がなくなってしまいます。そうなるとまた「あーあ、全然おもしろくないな」とか「全然やる気が起こらないよ」というマイナス発言をしてしまいますから、頭の中は常にマイナス思考が堂々巡りし、意識の中がマイナス思考を保った極めて悪い状態になってしまうのです。
このマイナス思考の口癖を直す最もいい方法は、「どうすれば今の状態を改善できるか?」という「どうすれば…」を口癖にすることです。すると、その改善方法を常に考えるようになりますから、それが1つ1つ改善されていくとどんどん気分がよくなってきますよね。さらにこの段階で「私はプラス思考の人間だ」という自己暗示をかけるのです。「私はプラス思考の人間だ」「すぐに改善策を見出すことができる」「失敗してもすぐに立ち直ることができる」という言葉を繰り返し唱え、頭の中をこれらの言葉で満たしてしまうのです。すると、本当にそのようになっていきます。そうなると、もうマイナス思考の発言はなくなり、逆に「これは何とかできるぞ!」とか「これのどこかにいいヒントがあるはずだ!」という完全なプラス思考の発言に変わっていきます。こういう考え方をしていると毎日が楽しくなってきますよね。ですからマイナス思考の口癖がある人は、まずは「どうすれば…」が口癖になるように普段から使うようにし、それができ出した段階で「私はプラス思考の人間だ」と頻繁に唱えて自分の思考を完全にプラス思考になるようにしていくようにしてください。
自分の生活習慣を見直す
ただ、自己暗示も体の健康状態が良くない場合は、いくら自己暗示をかけたところで体がついていきません。すなわち自己暗示をうまくかけられるようにするためには、生活習慣の見直しが大事になってくるということです。たとえば、前述の「月曜日になると調子が悪くなる」というのは、そうなる原因が生活習慣の中にたいていあります。最も多い原因の1つは、お酒を寝る前に飲むという習慣です。寝酒で睡眠薬代わりに飲む人もいるかと思いますが、これは次の日の朝の調子を狂わせるのでやめたほうがいいです。特に「月曜日から仕事が始まるのが嫌だな」と考えている場合は、飲酒量もたいてい多めになるので、余計に調子が悪くなるのです。そういう習慣がある人が月曜日に調子が悪くなるのは当然のことになります。ですから、寝る前にお酒を飲む習慣がある人は直ちにやめることをお勧めします。
あとは夜更かしする習慣がある人は、次の日の調子が当然悪くなります。睡眠時間は7~8時間確保するのが理想ですが、なかなかそこまで取れないという場合であっても最低6~7時間は確保すべきです。そうしないと次の日の朝どころか1日中眠くなって、仕事の進行に確実に影響が出てきます。こんな状態ではいくら自己暗示をかけても体がいうことを聞いてくれません。ですから睡眠はしっかりとることを心掛けてください。
以上になります。今回は自分の調子が良くない状態に陥っているとき、それはたいてい悪い自己暗示にかかってしまっているので、それをどのようにすればいい自己暗示をかけることができ、かつその状態を維持できるようになるかについて述べていきました。だいたい口癖でマイナス思考の言葉が出てくるというのは、頭の中がマイナス思考に満たされていますから、これをプラス思考に変えていく必要があります。そのために普段から「どうすれば…」という言葉を口癖にするようにし、さらには「私はプラス思考の人間だ」という言葉を繰り返し唱えることで頭の中を完全にプラス思考の状態にしていくようにします。それによって本当にプラス思考の人に変わっていきます。そしてこれを確実に実現していくためには健康状態の維持が欠かせませんから、寝る前にお酒を飲んでいる場合はそれをやめ、睡眠時間も7~8時間は確保するようにし、もし現時点でそれが難しいなら最低でも6~7時間は確保することが大事です。それによってあなたの良い健康状態が維持され、プラス思考の自己暗示をかけやすい状態にすることができるようになっていくのです。ですから今回述べた内容をしっかり実践して自己暗示の力を利用し、ぜひ毎日前向きな気持ちで取り組めるようにしてください。ではまたお会いしましょう!!