教育・心理カウンセラーの花賀作象です。前回は、自分が良いと思ったことを発言したときに、その発言内容に対し、他の人から共感を得られるようになるためにはどうすればいいかについて述べていきました。
今回のテーマは「自分の思いは勇気を持って伝えよう!」になります。職場においても家族の中においても何かを決めなければいけない場面は必ず出てくるかと思います。そんなとき、あなたは「こちらは…という利点があるのでこちらの方がいいと思います」という自分の意見をきちんと伝えていますか?特に職場においてはこれができていない人が非常に多いです。そのため、よく意見を言う人の主張が採用されてしまうのです。しかも、そういう意見が言える人がどんどん昇進していきますから、その人が上に立つとその人自身がどんどん意見を言うのでその人の意のままに計画が動いていくことになります。そうなると、さらに輪をかけて自分の意見が言いにくくなりますよね。
そういう状態が続くと、あなた自身のためになりません。そこで今回はどのようにすれば勇気を出して自分の思いが伝えられるようになるかについて述べていきますよ!!
目次
会議(ミーティング)への姿勢
職場ではたいてい会議(ミーティング)をどこかで行っているかと思います。あなたは会議に対し、どのような姿勢で臨んでいますか?「面倒くさいなあ」とか「出たくないなあ」という気持ちを抱いていませんか?これは会議の主催者にも問題があると言えます。会議はだいたい伝達が中心の会議になっていて、意見を言う時間も短い時間に限定されている場合が多いです。そのために一部のよく意見を言う人主導で会議が動いていきますから、それ以外の人にとって会議は「面白くないもの」になってしまうのです。
ここで考えていただきたいのが、あなたがそういう不満を持っているとして、誰かがそのやり方を変えてくれると思いますか?そうです。誰も変えてくれません。あわよくば「誰か変えてくれないかな?」とさえ思います。しかし、誰もがこう思っていると当然誰も変えませんよね。結局みんながその不満を口にするだけで、誰もそれを自分から変えようとはしないのです。
理想の形から考える
とはいえ「会議を自分から変えるといってもそういう一部の人の意見で決まってしまう会議をどうやったら変わるのか何も思いつかない」という人も多いかと思います。では、どうしたらいいでしょうか?
今からこういうときにどういう考え方をすればいいかのコツを申しあげます。まずは「どんな会議にしたいのか?」を考えます。つまりあなたの「理想の形」から考えるのです。そして次に「そのような会議にするにはどうしたらいいのか?」という具体策を考えるのです。すると、その理想の形の会議にするためにあなたは何をしていくかというのが思い浮かぶようになります。たとえば、「もっと多くの人が意見を言える会議にしたい」という理想形を考えたら、次に「自分がやりたいと思っていること」を予め会議の主催者に伝えるのです。さらに「私の意見についてより多くの人の意見を聞きたいので、会議の出席者全員に事前に伝達していただき、会議の場で話し合いをしたいです」と会議の主催者に伝えたらどうでしょうか?そのときの会議の内容にもよりますが、こういう積極的な姿勢は評価され、会議の議題として次回の会議ではなくても後日の会議で取り上げられる可能性は十分に出てきます。また、この議題を取り上げられる可能性をさらに高めたいなら、よく意見を言う人にこの話を持ちかけ、「それはいいねえ」という賛同を予め得ておくのです。よく意見を言う人というのは会議の場でかなりの力を既に持っていますから、よく意見を言う人がこれに賛成してくれるならこれほど心強いことはないですよね。このように、改善したいことがあったときはまず「理想の形」から考え、次にその具体策を考えて実行するようにするとそれが実現しやすくなるというわけです。
常に「顧客のために」仕事をする
ここで、仕事というのは「お金を稼ぐため」ではなく「顧客のため」にするものだということを今一度認識してください。これは私のブログ「◇75. 明確な目的を持って仕事をしよう!」でも述べていますが、「お金を稼ぐため」だとどうしても顧客の利益よりも自分の利益を優先してしまいます。顧客はあなたが行った仕事の結果に満足してお金を支払ってくれることを考えるなら、「顧客のため」を思って仕事をするほうが顧客があなたに対してより多くの金額を支払ってくれるようになります。ですから仕事は「顧客のためにする」ということを強く意識するようにしてください。
そういう観点で見てみると、仕事の目的が「お金の稼ぐため」だと、自分のために仕事をすることになりますから、自分がやりたくないことはやらずに済ませようとする傾向が強くなってきます。すなわち、仕事の目的が「お金を稼ぐため」になっている人は、前述の何か決めるべきことが出てきた場合に「自分で意見を言うのは嫌だ」と思っていますから、こういう「自分がやりたくないこと」は当然やらなくなるのです。
一方で仕事の目的を「顧客のため」と考えていた場合はどうでしょうか?前述の何かを決めるべきことが出てきた場合に顧客目線でものを見ますから、「それはこうしたほうが顧客のためになるでしょう」という考えが思い浮かんでくるのです。そうすると、意見を言いたくなりますよね。まさにこの「顧客のために」という考え方は、あなたに良い意見をもたらします。ですから仕事にも積極的になり、それが顧客からも評価され、昇進等へと繋がってあなたの収入がアップしていくのです。この「顧客のために」という考え方は、あなたに仕事に対する積極性ももたらすようになりますから、今まで仕事の目的が「お金を稼ぐため」だった人は、今から「顧客のため」に切り替えるようにしてください。
勇気はほんの少しだけでいい
仕事の目的が「顧客のため」となって意見を言いたい気分になってきたものの、実際職場の中でそれを言うというのはやっぱり勇気がいりますよね。「こんなこと言って却下されたらどうしよう」とか、「こんな忙しい時にそんなことを議題に持ち込むなといわれたらどうしよう」といった不安も出てくるのではないかと思います。ここで考えていただきたいのが、現在よく意見を言う人は初めからそうだったのではないということです。だいたい成功できる人とかうまくいっている人というのは最初のほうは底辺にいるのが普通です。それを自分の弱いところを努力によって克服してきたからこそ、今の地位にいるわけで、初めからその地位にいたわけではないのです。もし気になるのだったら意見をよく言う人に「どうやったらそんな風に意見をたくさん言えるようになるのですか?」と聞いてみるとよいです。すると、たいてい初めからそうだったわけでないことを話してくれます。そして、それを言う勇気というのはほんの少しだけでいいのです。「ちょっと言ってみようか」と感覚です。たとえそれで却下されるようなことがあってもそれでいいのです。再挑戦することだってできるのですから。
成功している人というのは数多くのことに挑戦し、数多くの失敗をしています。あなたも本当に成功する人になりたいのであれば、「ほんの少しの勇気を持って」行動するようにしてください。その挑戦があなたにきっと成功をもたらしますよ。
以上になります。今回は何か決めるべきことがあるときに、どのようにすれば勇気を出して自分の思いを伝えることができるかについて述べてきました。仕事に対する考え方としてはまず「顧客のため」だと認識し、改善したいものに対しては「理想の形」を考えてから具体策を考えて実行していくとうまくいくようになってきます。そうやってその思いを伝えるときには「ほんの少しの勇気を出す」だけでそれが言えるようにもなるのです。今回述べたことをしっかり実践して、あなたも今日から自分の思いをどんどん言うようにしてください。ではまた次回お会いしましょう!!