◇78. 好印象よりも敬意を手に入れよう!     

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花賀 咲象

花賀 咲象

 学習塾指導歴30年で、授業もこなしながら、カウンセリング・コーチング業務も行っております。
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 教育・心理カウンセラーの花賀作象です。前回は、仕事を「やらなければならない」という義務感を持ちながらやるのではなく、「しっかりやっていくぞ!」という前向きな気持ちで取り組んでいけるようになるためにはどのようにすればいいかについて述べていきました。

 今回は「好印象よりも敬意を手に入れよう!」になります。上司や他のスタッフから業務の依頼を受けたときに、どうしても現在手掛けている仕事で手一杯でその依頼を受けにくいことはありますよね。もしそれを無理してその依頼を受けようものなら自分の仕事がパンクしてしまうのは目に見えているにもかかわらず、相手と気まずい関係になることをさけるため、あるいは自分が好印象を持たれるようにするために無理してその依頼を受けてしまうこともあります。しかし、こうなると締め切りに遅れるなどの弊害が出てきて顧客に迷惑をかけてしまいます。こうならないためにはその依頼を上手に断る必要が出てきますが、今回はどのようにすれば自分が受けられそうにない依頼を上手に断り、かつその敬意を手に入れることができるかについて述べていきますよ!!

あてにされる人からの脱却

 人は誰でも自分の評価を気にします。仕事に関して言えば、自分が手掛ける仕事を迅速かつ丁寧にこなして周りから「仕事ができる人だと評価されたい」と多少なりとも思っているものです。

 そうなると、依頼される業務をどんどん受けるようになってきます。それを迅速かつ丁寧にこなすことができれば、さらなる依頼が舞い込むようになってきます。これが繰り返されていくと、その人は完全に「あてにされる人」と化しているので、その人の状況を考えることなく「その人に仕事を回すのが普通の状態」という世界ができあがっているのです。

 こんな状態のときに上司から新たな業務依頼がきたら、あなたはその依頼を断ることができますか?これはなかなか断れないかと思います。なぜなら断ることで自分に対する印象が悪くなり、上司との関係性も非常に気まずいものになる恐れがあるからです。

 ここで考えていただきたいのが、その気まずくなる状態は「短期的なものに過ぎない」ということです。確かに上司はあなたに「その業務をやってほしい」あるいは「その業務をきっとやってくれる」と思って依頼するわけですから、断られるとその期待を裏切られることになって落胆するのは間違いありません。

 しかし、それと同時に「こちらの状況もきちんと考えた上で依頼してほしい」とか「安易な期待でこちらに業務を依頼しないでほしい」というメッセージを送っていることにもなります。ということは長期的に見てみると、その断るという行為が「顧客のことや自分の状況をきちんと考えた的確な判断だった」とみなされ、あなたに対し敬意の念が生ずるようになってくるのです。このようにして業務を「あてにされる人」から脱却し、周りから敬意を得られるようになるのです。

周りにいい顔をしようとしない

 職場の人たちと良好な関係を築くことは自分の仕事を進める上でも大切なことではありますが、それと自分がその仕事を受けるかどうかの判断とは切り離して考える必要があります。誰かがあなたに何か業務を依頼してきたとき、あなたはその人との関係性を考えていませんか?もっと言えば、「その業務依頼を受けたら自分がどういうことになるかということよりも、その業務依頼を受けないことによってその人との関係性が崩れてしまうことに恐れを抱いていませんか?」ということです。

 こうした関係性と繋げて判断してしまうと、まず断れなくなります。それは、その人との関係性が崩れることを恐れているからです。ただ、ここで考えなければならないのは、「その業務を受けることによって自分自身が受ける不利益」です。これによって自分の業務がパンクし、締め切りに遅れたり、大幅な残業を強いられる可能性も出てきます。こうなって最も困るのは顧客です。それに伴ってあなたの顧客からの信頼も失います。ということは関係性をあまりにも重視しすぎて無理に業務依頼を受けてしまうと、あなたや顧客が被る不利益のほうがはるかに大きくなるのです

 そうであれば、その依頼は受けないようにして、自分が手掛けている重要な業務に集中したほうがいいですよね。アップルの創業者で元CEOのスティーブ・ジョブスは言います。「重要なことに集中する唯一の方法は 『ノー』と言うことだ」と。

角が立たない断り方をする

 ここで大事になるのが「断り方」です。顧客のための重要な業務に専念するために業務依頼を断ったほうがいいとは思っていても、実際その場面に遭遇したときにきちんとした断り方が分かっていないと断りにくくなりますよね。

 では、どういう断り方をすれば角が立たないようになるか具体的に上げていきますよ。

①今抱えている業務の締め切りを伝える

 「今抱えている業務の締め切りが〇月〇日に迫っていまして、その業務を請け負うと締め切りに間に合わなくなります」と締め切りの日を具体的に伝えることで相手はその業務をこれ以上頼みにくくなります。

②品質が低下してしまうことを伝える

 「今かなりの業務を抱えていまして、これ以上業務を受けると全ての品質が落ちてしまいますが、それでもいいですか?」と品質の点に触れると大変説得力のあるものになり、相手はその業務を依頼するのを諦めます。

③相手に交換条件を持ちかける

 「承知いたしました。その業務を引き受けます。ただ、今早急に仕上げなければならない重要な業務があるのですが、代わりにこれをやっていただけますか?」と交換条件を持ちかけると、相手はその依頼を引っ込めるでしょう。

上手な断り方を覚えると敬意を持たれるようになる

 自分が多くの業務を抱えて大変な状況にあるにもかかわらず他の人からの業務依頼を受けてしまうと、締め切りに間に合わなくて周りのスタッフや顧客からの信頼を失って白い目で見られるようになる可能性が出てきます。

 一方でそういう自分が大変な状況にあるときは他の人の業務依頼を上手に断って自分が抱えている重要な業務に集中して業務を行うようにすると、仕事がはかどるばかりか、より良いものを作り上げることができるので、顧客からも喜ばれ、他のスタッフからも敬意を持たれるようになります。結局「断る」という行為は、そのときは気まずい雰囲気になったりすることもありますが、長期的に見てその「断る」という行為によって「重要な業務だけに集中してより良いものを作り上げる」ことに繋がっていくので、断られた人からも敬意を持たれるようになるのです。ですから、変に好印象を得るために無理に業務依頼を受けるよりも、きちんと断って重要な業務に集中するほうが周りからの敬意を手に入れることができるというわけです。

 以上になります。今回は自分が多くの業務を抱えているときに他の人から業務を依頼されたとき、自分が好印象を持たれるようになるためにもその業務を引き受けてしまいがちになりますが、これを上手に断って敬意を手に入れるためにはどのようにしていけばいいかについて述べていきました。結局「自分の印象を良くする」というのは「顧客のため」ではなく「自分のため」になってくるので、これをやっていていいことは1つもないというのが現状になります。それよりもそういうときは上手に断って自分の業務に集中するほうが、周りのスタッフや顧客から信頼されるようになります。ですからあなたも自分が大変な状況にあるときに受けた業務依頼は上手に断るようにし、周りからの敬意をぜひ手に入れてください。ではまた次回お会いしましょう!!

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