教育・心理カウンセラーの花賀作象です。前回は、自分の好きな仕事に就くためにはどのようなことをしていけばいいかについて述べていきました。
今回のテーマは「仕事における『もったいない思想』は捨てよう!」になります。いわゆる損失が出ているものに対して「損切り」をすることなのですが、一度やり始めてお金(予算)をかけているものに対してはなかなかそれをやめることができない人(または会社の部署)が多いという現状があります。
では、今からどのようにすれば「もったいない思想」を捨てて、上手に損切りができるようになるかについて述べていきますよ!!
目次
「もったいない思想」の弊害
誰でもクレーンゲームはやったことがあるかと思います。これは店側も考えたもので、取れそうでなかなか取れないような工夫を施しています。ですからこれをやり始めて何百円もつぎ込もうものなら「ここまでお金をかけたんだから絶対に取ってやるぞ!」という心理が働き、現時点でかなりの損をしているにもかかわらず、なかなかやめられなくてゲームをやり続けるのですが、結局何も取れず、大損をした経験はありませんか?これはまさに「もったいない思想」が生んだ弊害なのです。
これが前述のようなクレーンゲーム程度であれば、その被害額は数百円から数千円程度なのでたいしたことないのですが、これが会社のプロジェクトとなれば大変なことになります。あるプロジェクトに手掛けたのはいいが、予定外のことが次々に起こり、このまま突き進めば赤字を生み出し続けるような状態になったとします。その際に「ここまで来るのにかなりの予算をつぎ込んだからそう簡単には引けない」という理由でそのまま続行していくと赤字を垂れ流し続ける結果となり、その被害額は数百万から数千万円、下手をすれば億単位にのぼることもあります。そうなると会社は倒産の危機に直面することになり、実際に倒産していく会社も出てくることになります。
失敗を認めて損切りを決断する勇気を持つ
前述のように計画にかなりのお金(予算)をつぎ込んだ場合、その計画が明らかにうまくいかないと分かっていても、その注ぎ込んだお金を「もったいない」と思い、それを取り返そうとすべくそれを続行していく行為は、何の意味もないばかりか倒産という破滅を迎えることを意味します。であれば、この計画の失敗を素直に認め、「これ以上損害を拡大するわけにはいかない」とズバッと損切りを決断する勇気を持つことが大事になります。これは現時点でも損害額を算出し、このまま続行すればどのくらいの損害額が出てくるかを計算してみることで、その判断は容易にできるはずです。こういうときは、「支払った損害だけで済むのならこれで良し」とする考え方を持つことが非常に重要になってきます。
計画・実行に直接携わっていない人に意見を聞く
前述の会社のプロジェクトに携わっている人だと、みんな「もったいない思想」に取りつかれてしまい、なかなかそのプロジェクトをやめる勇気が持てない状態になっている可能性があります。そういう時は、そのプロジェクトに直接携わっていない人に意見を聞いてみるとよいです。客観的な目で見ているので、冷静な判断をすることができ、適切な意見が得られることが多いので、やめる決断がやりやすくなってきます。
「やめたらどうなるか」を厳密に分析する
「もったいない思想」を持っている人は、今やっていることをやめると余計に損をするのではないかという思想も持っています。だからますますやめられなくなるのです。これは何が問題なのかといいますと、「もったいない思想」=「やめない思想」となっていることです。ですからここで「やめたらどうなるか」を厳密に分析する発想に転換することが大事になってきます。これをきちんと分析して損害額を正確に算出すれば、そのまま続けた方が損害が大きくなるという結果が出てきます。すると、もうそのプロジェクトをやめない理由がなくなりますよね。
柔軟な思考を持つ
前述までの内容は、会社のプロジェクトについてのことを中心に述べてきましたが、これはあなたの普段の生活とか、目標達成のために取り組んでいることにも当てはまります。計画がうまくいかないときは、それを変更するか、場合によってはその計画そのものをやめるという柔軟な姿勢を持つことが大事になります。これについては、私のブログの「◇17. 柔軟な姿勢を保とう!」で詳細に記載していますので、またこちらの方もぜひご覧になってみてください。
あなたが目標達成のために取り組んでいることでも明らかに状況が変わっていたり、現時点で行っていることが適切でないにもかかわらず、「それにかなりのお金をつぎ込んできたから」という「もったいない思想」でその計画を続けるようなことをしていると、さらなる損害を出す危険性が出てきます。それを防ぐためにも失敗を認め、その計画を変更ないし計画そのものをやめる柔軟な思考を持つことを常に心がけましょう。
以上になります。今回は損害が発生し、明らかに計画を続行するのが適切でないときに、多くの人が抱いてしまう「もったいない思想」をいかにして克服していくかについて述べていきました。こういうときの「もったいない」は前述のとおり損害しか生み出さないばかりか、その損害を余計に拡大していきます。株式投資をされている方は損切りの経験もあるかと思いますが、この損切りは被害が拡大する前のタイミングで行うことが大切になってきます。それをズバッとできる柔軟な思考が持つことができれば、きっとあなたを成功へと導いてくれるはずです。損害が発生しているときは、損切りのタイミングをしっかり見極め実行するようにしてください。では、また次回お会いしましょう!!