◇176. 視点を変えて人間関係を見てみよう!

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花賀 咲象

花賀 咲象

 学習塾指導歴は学生アルバイトの時も含めて通算31年で、授業もこなしながら、カウンセリング・コーチング業務も行っております。さらに最近では本を出版するための執筆活動も行っているところです。
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 教育・心理カウンセラーの花賀作象です。前回は自分が他人のために何かしてあげたときに感謝されたり褒めたりしてくれることを期待しないようになるためにはどのようにしていけばいいかについて述べていきました。

 今回は「視点を変えて人間関係を見てみよう!」になります。誰かとの間で常に叱る叱られるという関係になっているときは、叱る側はほぼ自分の視点だけで見ていることがほとんどです。だから常に相手を叱ってしまうのです。こういうときに自分の視点ではなく他の人の視点で見るようにすると、今まで気づいていなかったことに気づくことがあります。そうなると、毎日のように叱ることがなくなってきますよね。ここからはどのような視点で相手を見るようになれば良好な人間関係が築いていけるかについて述べていきますよ!!

自分の視点だけで見ていることがトラブルを生む

 私たちは普段、自分の視点で人や物を見ています。すなわち自分自身の考え方というフィルターを通してこの世界を見ているわけです。ということは自分の考え方にそぐわないものを目にしたとき、非常に気分を害します。特に自分が「こうするのが当然」だと思っていることを他人がやっていないと異常なほどの怒りが湧いてくるのです。それがその人に対して攻撃的な態度をとることにも繋がっていくのです。

 こうなるともう大変です。その人のやることなすことが気に入らなくなります。その人に怒った言い方で注意をし、その人が何を言おうとも言い訳としか捉えません。すなわちその人の言うことなすことすべてを平気で全否定してしまうのです。

 これはだいたい自分より弱い立場の人に対して行われます。職場だと上司が部下に対して、家だと親が子どもに対してという感じです。このようにして自分の視点だけで見るという姿勢がこのようなトラブルを招いてしまうわけです。

言われたほうは我慢しているのが普通

 一方でこれをされた側はたまったものではありません。その人に対して怒りの感情や反発心しか感じられなくなります。初めのほうは言い返していても、相手は自分の言うことなすことすべてを全否定してくるので、次第に言い返すこともなくなっていきます。こういう状態になると、嵐の前の静けさに似た状態になります。つまりいつ爆発してもおかしくない状態になるのです。職場ならいちばん大変な時期に突然退職されたり、家庭なら子どもが突然親に暴力を振るい始めたりという感じです。

 これは相手の気持ちを全く考えずに自分自身の視点だけで相手を見てきてしまったことが原因で起こっています。ただしこれは自分ではなかなか気づけません。というのはそうすることが正しいことだと思っているからです。「自分は相手の悪い点を正そうとして指摘しているのであり、それができるようになれば相手にとってもいいことになる」と心から信じているのです。結局これが後々の悲劇を招くことに繋がってしまうわけです。

相手の視点から物事を見るようにする

 もし「あの人はなぜああいう行動をとってしまうのだろうか?」と普段から考えるようにしていると、前述のようなトラブルを回避することができます。すなわち自分の視点だけで物事を見るのではなく、「相手の視点から物事を見るようにする」のです。それができれば、相手が自分の考えにそぐわないことをしていても「何か理由があるのだろう」と考えて腹も立たなくなってくるわけです。

相手の肯定的意図を捉える

 誰でもたいていの行動の背後には肯定的意図を持っているものです。肯定的意図とはその人が持つ「有益な意図」あるいは「正当な意図」のことです。たとえば、挨拶の声がすごく大きな人がいたとします。そうすると上司の中には「声が大きすぎて威圧感のようなものを感じるからもう少し声を抑えて挨拶しなさい」と注意する人もいるかと思います。ところがその人の考え方は真逆で「職場全体に暗い雰囲気があるので自分が明るく元気な挨拶をすることで職場全体を活性化させたい」と思っていたとします。もし、その注意した上司がこの人のこういう肯定的意図を知らずに注意したとなると非常に残念なことですよね。だいたいこういう注意をしてくる人というのは、「こいつは平気で大声を出すから常識がない」とその人物のことを「常識がない」などと勝手に決めつけている場合がほとんどです。だからその人から話をまともに聞こうとしないのです。そのために前述のような悲劇を招くということなのです。

 上記の例で言いますと、大きな声で挨拶する人に対して「大きな声で挨拶するのは何か考えがあってやっているのですか?」と一言聞けば、それだけでその人の肯定的意図が分かるようになるわけです。何でも自分の視点からだけで見て「常識のない人」とか「相手に威圧感を与える人」などと決めつけてしまうのではなく、一見問題行動だと思えるようなものにもきちんとその理由を聞いてその人の肯定的意図を捉えていく姿勢は非常に大事になってくのです。

嫌いな相手の視点から自分を見てみる

 人は誰でも自分が嫌いな相手に対しては「嫌だ」とか「腹が立つ」とか「鬱陶しい」という感情しか持っていないと思います。ただ、その嫌いな相手は誰からも嫌われている人物なのかというとそうとも限らないですよね。自分と同じようなことをしているのにその人には一切お咎めなしでなぜか自分にだけ嫌な言い方で注意されたり嫌味なことを言われたりしているところはありませんか?こういった場合、たいてい「~だけ贔屓して許せない!」といった怒りの感情になるのですが、「なぜ自分だけこういう扱いを受けるのか?」ということを考えたことはありませんか?恐らくあなたがそういう不当な扱いを受けるのはその嫌いな人物だけではないはずです。そこであなたは「もしかしたら自分が何か相手の腹を立たせるような態度や行動を取っているのかもしれない」と考えてみるのです。すなわち自分がもし相手の立場だったらどう見えるのか、相手の視点で自分を見てみるのです。すると、「行動が1テンポ遅いところがある」とか「ぼそぼそ話す癖があり、自分の言ったことが相手に伝わらないならないことがよくある」などといったことが見えてきたりするのです。そうなると、それは自分が直すべき欠点ということになりますよね。しかし、これは相手の視点に立ってみても分からないことも出てきます。そういうときは「どういう場面でそういう注意を受けるのか?」を考えてみるのです。すると、ここから自分が直すべき点が判明したりするのです。

自分の直すべき点が判明したら改善策を立ててすぐに直す

 このようにして自分の直すべき点が分かったら、これをどのようにして直していくかの具体策を立てます。たとえば判明した自分の欠点が「ぼそぼそ話をすること」なら、「ゆっくり大きめの声で話をする」という具体策を立てるのです。常にゆっくり大きな声で話すことを心掛けることによって相手に話が伝わりやすくなります。これによって自分の欠点が改善されていけば、相手が自分に攻撃してこないようになってきますよね。ですから自分の欠点が判明したらすぐに改善するための具体策を立ててそれを即実行するようにしてください。

 以上になります。今回は相手との関係が常に叱る叱られるの関係になっているとき、どのようにすれば相手の視点から見て自分自身を改善できるようになるかについて述べていきました。

 自分だけの視点から相手を見ていると、自分の考えにそぐわない行動を相手がとっているときに「許せない」という怒りの感情を生じさせ、それを直させるために相手を徹底的に叩くという言動をしてしまいがちになります。こうなるともう手が付けられません。相手のことを全否定し、相手の言い分はすべて言い訳とみなして全く聞こうとしなくなります。そうなると相手はもうその人に対して恨みのような感情しか持たなくなります。それにより突然相手を裏切る行動に出たり突然攻撃的になるといったトラブルへと発展していくのです。

 これを防ぐためには相手の視点から物事を見る姿勢が大事になります。それにより、相手がとっている問題行動だと思われる行動についても「何か肯定的意図があるに違いない」と捉えて見るようになります。すると、今まで考えもしなかったような相手のいいところが見えてくるのです。

 さらには自分の嫌いな相手の視点に立って見るとよいです。こうすることで、自分の欠点が何なのかが分かるので、その改善策を立てて実行することで、相手から自分に受けていた不当な扱いを回避できるようになってくるのです。

 今回述べた内容は良好な人間関係を築くために非常に大切なことになります。ぜひ実践して相手の視点から物事を見られる人になってください。ではまた次回お会いしましょう!!

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