教育・心理カウンセラーの花賀作象です。前回は誰かから何か作業を頼まれたときに、どのようにすればその作業を引き受ける権利は自分にあることを認識してその権利を行使できるかについて述べていきました。
今回は「いい評価を他人に期待するのはやめよう!」になります。あなたは自分がやったことに対してその当人から「感謝してくれるだろう」とか「褒めてくれるはずだ」といった自分への良い評価や賞賛を期待をしているところはありませんか?これが叶わなかったとき、「あの人はこちらがやったことを全然見てくれていない」とか「どうせ自分のやったことなんて評価してくれないんだよ」といった失望感に陥りがちになります。これはあなたの精神衛生上においてよいものではありません。ここからはこういう自分が行った親切行為に対してどうやったら当人にその評価を期待しないようになるかについて述べていきますよ!!
誰もが自分のことで精一杯
あなたの職場を見渡してみてください。みんな忙しそうにしていますか?それとも暇そうにしていますか?大半はみんな忙しそうにしているかと思います。そこで考えていただきたいのが、あなたは仕事をしている最中に他のスタッフのことをいつも考えていますか?たまに考えることがあるかもしませんが、ほとんど考えることはありませんよね。ですから大半の人は基本的に自分の目の前の仕事をこなすことしか考えていません。そうなると、「そういえばあのとき○○さんは~をやってくれていたからお礼を言わなきゃいけないな」などということを考える余裕はないわけです。本当はこうではなく、みんなが少しでも誰かが何かをやってくれていることに気づいたらその場でその人にお礼が言える明るい雰囲気になっていることが理想です。しかし、その部署のトップの人がそこまで考えているのはごく稀です。ですから誰もが自分のことが精いっぱいの状態で他のスタッフのこといちいち考えていられないのが現状なのです。
自分は自分、他人は他人だと考える
あなたが誰も見ていないところで他人への親切行為をしたときに、中にはそれに気づいてお礼を言ってくれる人もいるかと思います。ただ、こういう人は稀ですよね。たいてい誰かが自分のために何かをしてくれていることに気づいてもそのまま何も言わずに仕事を始める人のほうが多いのが現状です。また、それに全く気づかない人もいますよね。こういう人たちに対して「せっかく○○さんのためを思って~してあげたのにお礼を言うどころか気づきもしないなんて最悪だ!」と考えたところであなたが得をすることはありません。
こういうときは、自分は自分、他人は他人だと考え、自分と他人を完全に区別することが大事です。あなたは当人のことを思ってたとえ誰も見ていなくてもそういう親切な行為ができる素晴らしい人なのです。一方でそういう行為をしてもらいながらそれに対してお礼も言わずに放置する人や気づくことすらない人は、あなたのそのレベルに達していないのです。その人たちがもしあなたと同じレベルなら「え!これは誰がやってくれたの?○○さんなの?これは助かります。本当にありがとうございます」と言ってくれるかもしれません。ただそうではなくほとんどの場合は、今日の自分の仕事を片づけることしか頭にないわけですから、そういうお礼を言うことに気が回ったり、やってくれたことに気づかないのが普通なのです。だから「私の精神レベルに追いついていないから仕方がないな」と思っておけばいいのです。そうやって自分は自分、他人は他人だと認められるようになり、他人が自分が思う通りに評価してくれなくても気にしなくなってくるのです。
他人からの作業依頼を無理して引き受けない
前々回の私のブログ「◇173. 自分のキャパを考えよう!」で自分のキャパシティを把握して依頼された作業を引き受けるかどうかを考える必要性があることを述べました。この自分のキャパを把握しておくことは非常に重要ですから、もしそれができていない方はぜひ私の前々回のブログを読んでご自身のキャパを把握するようにしてください。
自分のキャパが把握できれば、上司や他のスタッフから作業依頼が来たときにそれを引き受けることができるかどうかを判断することができます。もし、キャパがほぼいっぱいの状態なら「大変申し訳ございません。今抱えている仕事だけで手一杯になっているので、その作業を引き受けるのはちょっときついです」と言って断ることができますよね。
しかし、中には断りにくい相手もいますよね。その場合はキャパがいっぱいで余裕がないにもかかわらず引き受けてしまうかと思います。そうなると大変です。何とか時間を作って締め切りに間に合うように必死でその作業と自分の作業をこなすかと思います。そのようにメチャクチャ苦労して何とか仕上げてその人のところに作業が完成したものを持っていったときに、「ああそこに置いておいて」とだけ言われたらどうでしょうか?恐らく怒りに満ちた感情になりますよね。「ここまで苦労して仕上げたのにお礼の一言も言えないなんて絶対に許せない!」と。これは「自分が他人に頼んだことに対してお礼を言うのは当然だ」という考えの下で、当人がお礼を言うことをあなたが期待してしまっているところに原因があります。前述したように自分は自分、他人は他人という区別をして、こういうお礼を言わない人に対して「お礼がきちんと言えない人なんだな」と割り切るのがいちばんよい方法になりますね。
本当はこういう断りにくい相手であったとしても自分のキャパを理由にきちんと自分が厳しい状態にあることを言うべきです。もし断ることが苦手だという人は私のブログ「◇8. 上手な断り方をしよう!」で上手な断り方について述べていますから、こちらを読んで上手な断り方をマスターするようにしてください。
そのようにして他人からの作業依頼を最初から無理して引き受けないようにすると、お礼を言われなかったときのことをいちいち考えることもないですよね。ですから自分のキャパがいっぱいになったりキャパを超えるような作業依頼は無理して受けないようにすることを常に心掛けてください。
自分の状況を見える化しておく
あなたはその日に自分がする作業をきちんと手帳などに書き出していますか?「いつもルーティン業務で同じことをしているからいちいち書き出さなくても分かるよ」という方も多いかと思います。私はブログ「◇86. 1日の計画を最重要視しよう!」で、その日の業務計画をきちんと立ててどの時間帯に何をするのかを見える化することの大切さを述べています。これにより、自分の業務のスピードも質もレベルアップさせることができますし、他人からの作業依頼もそのスケジュールを見せて断ることも可能になってくるのです。ですから、たとえルーティン業務であってもどの時間に何の業務をするのかの計画を立ててそれを見える化しておくことを強くお勧めいたします。
以上になります。今回は自分が行った親切行為に対してどうやったら当人にその評価を期待しないようになるかについて述べていきました。
前述の通り、ほとんどの職場では誰もが忙しくして自分のことだけで手一杯になっています。そのため、他人にしてもらったことをいちいち考えません。ここで大事になってくるのが自分は自分、他人は他人と自分と他人を完全に区別することです。これにより、あなた自身はそういう親切な行為を率先してできる素晴らしい人で、それに対しお礼を言えない人はそのレベルに達していない人だと考えられるようになります。また、他人からの作業依頼に対し、自分のキャパを考えて無理して引き受けないことも大事です。これによって変に相手がお礼をきちんと言ってくれるかどうかを期待することもなくなります。これを実現するために普段から自分の作業を書き出し、どの時間に何をするかを見える化しておくことは強くお勧めいたします。
今回述べた内容を実践すれば、あなたは変に他人に自分の評価を期待することがなくなります。そうなると変な怒りの感情も湧かなくなってきますから、気持ちよく仕事をすることができるようになります。あなたが毎日気持ちよく仕事をしてあなた自身のレベルアップに繋げるためにもぜひ他人に自分の評価を期待しないようにすることを心掛けてみてください。ではまた次回お会いしましょう!!