◇155. 「早く終わってほしい」病から解放されよう!

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花賀 咲象

花賀 咲象

 学習塾指導歴は学生アルバイトの時も含めて通算31年で、授業もこなしながら、カウンセリング・コーチング業務も行っております。
 このブログは自己啓発本を読んだだけでは分からない経験的・実践的な内容を加味して書いています。ですからみなさんが今後経済的に豊かになりたいという人生の目標の達成に必ず貢献できる内容になっているという自負があります。ですからぜひこのブログを毎日読み、日々成長することに努め、自分の人生に生きがいを持てるようにしていきましょう!

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 教育・心理カウンセラーの花賀作象です。前回はクレーム等自分に悪いことが降りかかった場合にどのようにすれば気持ちを上手に切り替えて前向きに取り組めるようになるかについて述べていきました。

 今回は「『早く終わってほしい』病から解放されよう!」になります。あなたは普段「早く仕事が終わらないかな」とか「早く休みが来ないかな」なんてことを考えて仕事をしていませんか?これはまさに「早く終わってほしい」病で、常にこの気持ちを抱いていると、あなたが仕事をする上で様々な問題を引き起こすことになります。では、ここからは「早く終わってほしい」病にどのような問題があり、どのようにすればこれを克服することができるかについて述べていきますよ!!

ルーティン業務の弊害

 「早く終わってほしい」病というのは、ルーティン業務が生み出した弊害とも言えます。毎日同じことの繰り返しで仕事自体がつまらないと感じているために早く終わってほしいと思うようになるのです。「早く仕事が終わってくれないかなあ」という気持ちは「早く就業時間が来てくれないかなあ」とただ「早く時間が過ぎてほしい」とだけ考えているのです。これはまさに自己中心的な考え方で、極論を言えば「就業時間だけは会社にとどまって給料がきちんともらえるようにしよう」といういわば給料泥棒的な考え方になります。「それは違う!就業時間中はきちんと仕事をしているんだから給料泥棒ではない!」と反論される方もおられるかと思います。確かに給料泥棒とまでは言い過ぎになります。しかし「早く時間が過ぎてほしい」と考えながら仕事をするというのは、必要以上に仕事をしていないことになります。すると、それは自分に何の成長ももたらさないばかりか、顧客のことをほぼ考えていない状態になってしまうのです。私が再三申し上げているように仕事は「顧客のため」に行うものであり、顧客のことをほぼ考えずにただ「早く終わってほしい」とだけ考えて仕事をするのはもってのほかということになります。ですからルーティン業務そのものの改善ということが必要になってくるのです。

抜けや漏れが多くなる

 「早く終わってほしい」病は、仕事に多くの抜けや漏れをもたらします。顧客のことよりも自分が早く帰ることだけが気になって仕方がないので、1日にやるべき業務を書き出したり、仕事に優先順位をつけたり、1日の業務計画を立てて進めるといった仕事における基本的なことは全くなされることはありません。だから重大なことも誰かから指摘されて慌ててやり始めることになります。さらに後になってから「あ!これをするのを忘れていた」と思い出して慌ててその業務に取りかかることも多いです。とにかくやることなすことが行き当たりばったりで計画性がまるでありませんから、抜けや漏れが非常に多くなるのです。

物の捜索に時間がかかる

 「早く終わってほしい」病になっている人は、机の上も書類や書籍などを適当に積み上げたタワーが作られていますから、どこに何があるかをほぼ把握していません。だから書類の提出を求められたときに「あれ?どこだったかな?」「確かこの辺に置いたはずなんだけど…」という感じで記憶も曖昧でどこに何を置いたのかが分かりませんから、その捜索に時間がとられてしまうのです。このように本気で顧客のために仕事をしようとしていない姿勢が、こうした本来時間をかけなくていいところで時間をかけてしまう結果をもたらしてしまうのです。

「早く終わりたい」から「早く終わらせたい」へ切り替える

 「早く終わりたい」という考え方は、余計な仕事をするのは避けてとにかく早く帰ることしか考えていませんから、自分にも顧客にも何の利益ももたらせません。しかし、これを「早く終わらせたい」という気持ちに切り替えると、ガラッと変わってきます。早く終わらせるには自分で何か工夫をしなければならなくなります。ですから仕事を早く終わらせるための工夫がなされることに繋がっていくのです。

早く終わらせるための進め方

 ここで私がブログで紹介していることが生きてくるようになります。私のブログ「◇86. 1日の計画を最重要視しよう!」で、1日の業務をどのように進めていけば自分の仕事が迅速かつ丁寧なものになっていくかの詳細なやり方を紹介しています。ですから、こちらのブログも併せて読んで仕事が早くできる方法をぜひマスターしてください。

 ここで簡単に仕事が早くできるようになる方法を紹介しておきますと、業務を始める前に前のやり残しや締め切りが迫っているものなども考慮して、その日にやるべき業務を全部書き出すのです。これを面倒くさがってはいけません。これをきちんとやっておくだけで抜けや漏れはなくなります。抜けや漏れが多い人はこれをやっていないから抜けや漏れが出てくるのです。それを十分に反省し、抜けや漏れを出さないようにするためにもまずはこの業務開始前にその日にやるべき業務の書き出しを必ず行ってください。

 そして書き出した業務すべてに優先順位をつけます。優先順位のつけ方がよく分からないという人は私のブログ「◇83. 優先順位のつけ方をマスターしよう!」で述べていますので、これを参考に優先順位を立ててみてください。

 優先順位をつけたら今度はそれを優先順位の高い順に1日の業務計画に落とし込んでいきます。書き出したすべての業務を〇時〇分~〇時〇分と時間を分単位で区切ります。ここでポイントとなるのが時間を「分単位」とすることです。時間単位だと幅が広すぎて業務自体がダラ~っとしたものになりがちですから、分それも15分を単位として区切っていくのがベストになります。たとえば、ある業務を仕上げるのに「13:00~14:00」とすると、「13時から1時間あるから焦らずゆっくりできるな」という気持ちになりがちです。しかし、これが「13:00~13:15」となると、「え、15分しかない」となり、早く終わらせるのにかなり集中して業務を行うことになりますよね。これがいいのです。この「15分しかない」という意識があなたを飛躍的にレベルアップさせます。「え!15分でできなかったらどうするんですか?」と言ってくる方もおられるかと思います。これは簡単です。予備の時間を設定しておくのです。たとえば「13:00~13:15 ○○を仕上げる」、「13:15~13:30 予備時間」という感じです。そうすると、15分以内にできなかったら予備の時間に行うことができますよね。すると、「え!予備の時間が最初からあると分かっていたらダラダラやってしまうのではないですか?」と言われる方もおられるかと思います。これは「予備の時間は存在しない」と考えるのがポイントです。設定はするものの自分自身はそれがないものと思って、15分以内でしあげるように必死で仕事をするのです。これを毎日していたらいずれ15分以内にできるようになります。自分自身のレベルアップというのはこうやって行うといいのです。

顧客のことを常に考える

 仕事はやっぱり「顧客のため」に行うものです。「生活費を稼ぐため」という自分の家庭での考え方を職場に持ち込むのはよくありません。「生活費を稼ぐため」というのは家に帰ってから考えればいいことで、職場で考えるものではありません。いったん職場に入ればお金のことは忘れて「顧客のため」モードに完全に切り替えるのです。すると、仕事が「早く終わってほしい」などとは考えなくなり、顧客が喜ぶ姿だけを考えるようになります。仕事というのは顧客を幸せにするために行うものですから、常に自分がした仕事で顧客が喜んでいる姿を思い浮かべるのが最も良いのです。そこで「早く終わりたい」から「早く終わらせたい」に気持ちを切り替えると、「顧客のため」モードに切り替わってきます。顧客により満足してもらうには迅速かつ丁寧な仕事が求められるようになりますから、仕事を「早く終わらせたい」という気持ちが最大限に生きてくるのです。ですから、常に顧客のことを考え、迅速かつ丁寧な仕事をすることをめざしてください。

 以上になります。今回はルーティン業務の弊害から生まれる仕事が「早く終わってほしい」病を克服してより良い業務ができるようになるためにはどのようにすればいいかについて述べていきました。「仕事が早く終わってほしい」と考えて仕事をしていると、抜けや漏れが多くなったり、物の捜索に時間がかかったりします。ですからこれを解消するためにも「早く終わりたい」という気持ちから「早く終わらせたい」という気持ちに切り替えることが大事になります。そして最初にやるべき業務をすべて書き出し、優先順位をつけ、計画を立てて進めていくのです。その上で顧客のことを常に考えて仕事をすることであなたの業務は顧客から信頼されるより良いものへと変化していくのです。ですから今回述べた内容をしっかり実践して、ぜひ迅速かつ丁寧な仕事ができるようになることをめざしてください。ではまた次回お会いしましょう!!

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