教育・心理カウンセラーの花賀作象です。前回は自分が楽したいという衝動に駆られるようになったときにどのようにすればこの気持ちから解放され、前向きに努力できるようになるかについて述べていきました。
今回は「気持ちの切り替えを上手に行おう!」になります。人は誰にでもさまざまな場面で自分にとって好ましくない出来事が突然降りかかってくることがあります。そのようなときは誰でも非常に嫌な気分になります。こんなときにその気持ちをずっと引きずっていると、その仕事にもろに影響してきますよね。ここからはどのようにすれば、そういう自分にとって好ましくない出来事が降りかかったときに上手に切り替えを行えるようになるかについて述べていきますよ!!
目次
気持ちがなかなか切り替わらない原因
重大なミスをしてしまったとか、大勢の前で恥をかいたとか、大きなクレームを食らってしまったなど、自分にとって「あってはならないこと」が起こったとき、気持ちが深く沈んでしまいますよね。そのときに自分を必要以上に責めて後悔している場合が非常に多いです。「何であんたことをしてしまったんだ!」とか「やっぱりこうしておけばよかった!」とか「こんなことになるんだったらもっと丁寧にチェックすべきだった!」という感じです。さらには「自分はなんてダメな人間なんだ!」とか「自分には能力そのものがないんじゃないだろうか?」という感じで自己否定に走るようにもなってきます。このような状態にまで陥ると、もう自分に対する自信は完全に喪失していますから、なかなか気持ちが切り替わってこなくなってきます。
相手から悪く思われていると考えない
前述のようになぜ必要以上に自分を責めたり自己否定に走ったりするのでしょうか?その背景としては、それに該当する相手から「自分が悪く思われている」と考えている場合が非常に多いです。相手の怒りの表情がフラッシュバックするように常に頭の中で再生され、相手から必要以上に責められていると考えてしまっているのです。
ここで考えていただきたいのが、該当の相手は「あなた自身を責めているのだろうか?」ということです。クレームを例にとりますと、あなたが提供した商品にあなたの不注意が原因で発生した重大な欠陥があり、顧客が怒り心頭でクレームを入れてきたとします。このとき顧客は「あなた自身」に怒っているのでしょうか?クレームを受けるとどうしてもそのように考えがちになってしまいますが、そうではありません。顧客が「商品に欠陥があること」に怒っているのです。だからその商品が欠陥のないものに修正するか別のものに交換するかなどの適切な対処をすれば、その怒りはすぐ収まるのです。ですから、あなたがクレームを受けることによって「自分が悪く思われている」と今まで考えてきたのであれば、それは大きな間違いです。顧客が怒っているのは、「あなた自身」ではなく、あなたが「やらかしてしまった行為」のほうなのです。すなわち「人」を責めているのではなく、責めているのは「行為」というわけです。ですから今後はクレームを食らったり、上司から激しくしかられるようなことがあったとしても、それはあなた自身ではなく、あなたの「やらかしてしまった行為」が責められているのだと認識するようにしてください。
誠心誠意を尽くす
「自分自身が相手から悪く思われているのではない」ということが分かってくると、それだけで気持ち的にだいぶ楽になるかと思います。では次に行うことは、該当する相手に「誠心誠意を尽くす」ことになります。自分がやらかしてしまったことは、過去のことなのでもうどうにもなりません。大事なのは「これからどうするのか?」になります。それがまさに「誠心誠意を尽くす」ことなのです。失敗やミスというのは誰にでもありますが、これをされてしまった相手はどういう目であなたのことを見るかを「冷静に」考えたことはありますか?答えは簡単で「どういう対処をしてくれるのかな?」です。起こってしまったことがどうしようもないことは相手も分かっています。だから相手はそこからあなたが「どのような行動をとってくれるのか?」に注目しているのです。そこで先ほど申し上げた「誠心誠意を尽くす」行為が非常に重要になってくるのです。ここであなたが誠心誠意を尽くし、顧客の利益を最大限に考えた迅速な対処をすると、その顧客は間違いなく感動します。「こんなに早く対処してくれるなんてきちんとこちらのことを考えてくれて動いてくれたんだな」と思ってくれるわけです。そうなると、その顧客は怒りが消えるどころか、逆にあなたのファンになります。それだけクレーム時における「誠心誠意を尽くす行為」というのは大事になるのです。そうなれば、その顧客は間違いなくリピーターとなってくれるようになります。さらにはその顧客から口コミであなたのことを広めてくれる可能性も大いに出てきます。すると、あなたは自分の仕事をするのが今まで以上に楽しくなってきますよね。ですから悪いことが起こったときほど、相手に誠心誠意を尽くすことは常に心がけるようにしてください。
「顧客のために」を常に考えて仕事をする
これは私が他のブログでも再三述べていることにはなりますが、仕事は「お金のため」ではなく、「顧客のため」と考えることが大事になります。これは私のブログ「◇99. お金を行動基準にするのはやめよう!」で詳細に述べているので、こちらもぜひ併せて読んでみてください。自分や家族の生活のためにお金を稼ぐことは確かに必要ですが、いったん職場に入るとそれとは切り離して「顧客のために仕事をしている」モードにする必要があるということです。このように考えるようになってくると、仕事そのものが楽しくなってきます。自分が作成しているものを顧客が嬉しそうに満足して使っているところを想像すると、嬉しくなってきますよね。
「顧客のため」の考え方は切り替えを早くする
こうして仕事そのものを「顧客のため」と考えられるようになってくると、嫌なことがあったときに切り替えはスムーズに行えるようになります。顧客は欠陥のないいい商品が欲しいと思っているわけですから、クレームが起こっても迅速にいい商品と取り換えるか修正するかなどの対処もすぐ行えるようになります。また、1人のお客さんの対応が済むと「次はこのお客さん」という具合に別の顧客への対応にすぐ切り替えることができます。
これでお分かりでしょうか?気分の切り替え方はネットとか見ていてもいろいろ出てきますが、いちばんはこの「顧客のため」という考え方を自分の中に完全に浸透させることなのです。これができるとあなたは強くなれますよ。顧客からの怒りも怖くなくなりますし、むしろ「何とかしてあげたい」という気持ちの方が強くなってきます。ですからあなたもこの仕事は「顧客のため」という考え方を徹底的に自分の心の中に刻み込むようにしてください。
以上になります。今回は仕事上で自分に悪いことが降りかかったときに、どのようにすれば上手に切り替えが行えるようになるかについて述べてきました。仕事をしている以上、いいことばかりが起こるとは限らず、悪いこともどこかで起こってきます。そんなときに「自分が悪く思われている」と考えるのでなく、悪く思われているのは「自分がやらかしてしまった行為」になることを認識する必要があります。その上でその該当する相手に対し誠心誠意を尽くすように徹すれば、相手はその怒りが消えるどころかあなたのファンになる可能性が大きくなってきます。そして仕事に対し「顧客のため」と考えることができるようになれば、常に顧客の喜ぶ姿を想像できるようになってきます。するとクレームも怖くなくなり、むしろ何とかいい商品を使ってもらえるような対応が自然に取れるようになってきます。そうなると、いつどんな悪いことが起こったとしても、顧客のために気持ちをすぐに切れ変えて迅速な対処ができるようになるというわけです。今回述べた内容は仕事上で嫌なことがあったときに気持ちを切り替える上で非常に大切なことになります。ぜひ実践して、上手に気持ちを切り替えるようにしてください。ではまた次回お会いしましょう!!