◇148. 人に影響力を与える人になろう

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花賀 咲象

花賀 咲象

 学習塾指導歴は学生アルバイトの時も含めて通算31年で、授業もこなしながら、カウンセリング・コーチング業務も行っております。
 このブログは自己啓発本を読んだだけでは分からない経験的・実践的な内容を加味して書いています。ですからみなさんが今後経済的に豊かになりたいという人生の目標の達成に必ず貢献できる内容になっているという自負があります。ですからぜひこのブログを毎日読み、日々成長することに努め、自分の人生に生きがいを持てるようにしていきましょう!

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 教育・心理カウンセラーの花賀作象です。前回は自分が立てた目標の具体策に行き詰まったときにどのようにすればそれを立て直し、再び目標達成に向かって前進していけるかについて述べてきました。

 今回は「人に影響力を与えるようになろう!」になります。あなたは「相手が自分の話をなかなか理解してくれない」ということを感じたことがありませんか?こういうときはだいたい相手の方に問題があると考えがちです。このとき、あなたの方には問題はないのでしょうか?周りにいる人たちはみんなあなたの話を聴いてくれていますか?やっぱり人に影響力を与えられるようになるためには、まず相手があなた自身の話に耳を傾けてくれるようにならなければなりません。ここからはあなたが人に影響力が与えられるようになるために、どのようにすれば相手が自分の話を聞いてくれるようになるかについて述べていきますよ!!

正しいことが伝わるのではない

 あなたは相手に対し「こっちは正しいことを言っているのに全然分かってくれない」と感じたことはありませんか?そんなときに「私はあなたのことを思ってこれを言っている」なんてことも言っているのではないでしょうか?こうなると話は平行線になります。こんな状態では相手はあなたの話を全く聞き入れることはないでしょう。まずここで考えなければならないのは、必ずしも正しいことが相手に伝わるのではないということです。

相手の話を「聴く」ことが重要

 あなたは「聞く」と「聴く」の違いが分かりますか?コーチングに一度でも触れたことがある方は聞いたことがあるかと思います。「聞く」は「自然に耳に入るだけ」であり、何か作業をしながら聞くこともこの「聞く」になります。「聴く」は「心を込めて聞く」ことであり、相手の話を真剣に聞いている状態のことを言います。ここであなたにお尋ねしますが、あなたは普段、相手の話を「聴いて」いますか?すなわち相手に目を見て真剣にその人の話を聞いているかということです。聴いている場合とそうでない場合があり、忙しさも相まって聴いていないことのほうが多いことはありませんか?誰でも自分の話は真剣に聞いてもらいたいと思っているのであり、自分の話を聴いてもらえない人の話など聞きたいとも思わないと思うのが普通ではないでしょうか?ということは、相手が自分の話を聴いてくれるかどうかというのは、あなたの話が正しいかどうかではなく、あなた自身が相手の話を「聴いているかどうか」にかかっているということです。

主張に一貫性がある

 こうして相手の話をきちんと聴けるようになったなら、相手はあなたの話をきちんと聞く姿勢を持ってくれるようになります。相手に自分の影響を与えていくために次に大事になってくるのが「主張に一貫性があること」になります。あなたの意見が朝令暮改で、その都度意見が変わっていたり、すぐ感情的になったり、公私混同するような行動を取ったりしていると、誰もあなたの言うことに耳を傾けなくなります。ですから、どんなにあなたから発せられる言葉が愛情のある素晴らしい内容であったとしても、それをやってみようとは誰も思わないのです。ですから、相手に影響力を及ぼしたいと思うのであれば、主張に一貫性を持たせ、模範のある言動を取っていく必要があります。

自分の話をするために聞いてはいけない

 これは結構多くの人がやってしまっていることですが、人が話しているときにその人の話を本当に理解しようとして聞くのではなく、自分の話をするために聞いているのです。たとえば相手が一通り話をした後で「そうだね。私も昔同じような経験をしていて…」という感じで自分の経験談を話し始めるのです。あなたもこういうことをしていませんか?これでは相手の方は自分の話が理解されていないのにただ経験談を押し付けられているという印象を持たれることになります。だから相手の話を聞くときは、自分の話のことを一切考えずに相手の方に心を傾けて「聴く」ことが大事になるわけです。

相手の話を理解する

 前述で相手の話を「聴く」ことが大事であることはお伝えしましたが、ただどういうところに注目して聞いたらいいかが分かっていないと意味がなくなってきます。これについては私のブログ「◇142. 相手の話の本質のつかみ方を知ろう!」で詳細に述べていますのでぜひこちらもご覧になってみてください。では、相手が言いたいことが何なのかが分かるために何に注目して聞けばいいかと言いますと、それは相手がそれを言う「理由」です。これさえつかめれば相手の真意が分かります。そして一通り聞いた後でその部分に触れた話をしてあげると「この人はこちらが言いたいことをよく分かってくれているなあ」と感動してくれます。その瞬間、相手はもうあなたのファンになっています。そうなると、相手はあなたの話を真剣に聞いてくれるようになるのです。

感情移入して相手の話を聴く

 「聴く」は「傾聴」ともよく言われますが、相手の話を傾聴して聞くことの大切さはもう理解いただいているかと思います。アメリカの作家で経営コンサルタントスティーブン・R・コヴィーは、その著書「7つの習慣」の中で、相手が話している時に私たちは、無視する、聞くふりをする、選択的に聞く、注意して聞くの4つのいずれかのレベルで聞いていることを指摘しています。その一方で、この上の最も高い傾聴レベルである感情移入して相手の話を聴いている人は非常に少ないことも述べています。

 感情移入して聴くとは、完全に相手の立場に立って物事を見て、相手の気持ちを感じながら聴くということです。これは相手の立場に立っている点で同情とは違い、完全に相手の気持ちを理解している状態になります。この感情移入した傾聴ができるようになると、相手の気持ちを完全につかむことができるようになります。ですから、ぜひ傾聴も感情移入したものにした上で実行するようにしてみてください。

 以上になります。今回は人に影響力を与えられる人になるために、どのようにすれば相手があなたの話を聞くようになってくれるかについて述べていきました。

 結構多くの人が自分が「正しい」と思っていることは、それを相手に多少なりとも押し付けてしまう傾向にあります。これがどんなに正しかろうが、どんなに必要なものであろうが、相手にとっては「聞きたくない」ものになっています。ですからまずは必ずしも正しいことが相手に伝わるものではないということを理解しておく必要があります。

 そして、相手が話を始めたら心の底から相手に耳を傾けて聞く傾聴を行い、その間は自分の経験談などの話は一切考えないようにすることが大事になってきます。プラスして感情移入ができれば、もうそれは最高の傾聴になってきますね。

 さらには相手が「なぜそれを言うのか」の理由に注目し、その部分を特に注意して聞くようにすることで相手がいちばん言いたいことが何なのかをつかむことができるようになります。そのようにしていくと、相手はあなたの話をしっかり聞く姿勢ができあがっているので、あとは自分が話をするときは常に一貫性を持たせるようにすれば、そのときあなたの言うことは、かなりの影響力が出てくるようになっていますよ。ですから今回述べた内容をしっかり実践してあなたもぜひ人に影響力を与えらる人になってください。ではまた次回お会いしましょう!!

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