◇142. 相手の話の本質のつかみ方を知ろう!

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花賀 咲象

花賀 咲象

 学習塾指導歴31年で、授業もこなしながら、カウンセリング・コーチング業務も行っております。
 このブログは自己啓発本を読んだだけでは分からない経験的・実践的な内容を加味して書いています。ですからみなさんが今後経済的に豊かになりたいという人生の目標の達成に必ず貢献できる内容になっているという自負があります。ですからぜひこのブログを毎日読み、日々成長することに努め、自分の人生に生きがいを持てるようにしていきましょう!

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 教育・心理カウンセラーの花賀作象です。前回は忙しい毎日に追われる中で大半の人は自分一人でゆったりとする時間が確保できていない中、この自分一人で考える時間をどのようにすればきちんと確保できるようになるかについて述べていきました。

 今回は「相手の話の本質のつかみ方を知ろう!」になります。本質とはそもそも物事の根本的な性質や特徴のことを言いますが、もっと簡単に申し上げますと「何が最も大切か?」とか「何がいちばん言いたいか?」になります。話の本質をつかむのが上手な人は、相手がいちばん訴えたいことを的確に捉えることができますから、さまざまな人から好かれる傾向があります。逆に相手の言いたいことをつかむのがあまりうまくないと、誤解されることも多くなり、周りの人たちとの人間関係も良くない状態になってきます。ここからはどのようにすれば相手の話の本質を上手につかめるようになるかについて述べていきますよ!!

相手の話を聞く余裕がない

 これは普段仕事に追われていると誰にでも起こることになりますが、忙しい状態で自分の心の余裕がない場合は、相手の話の本質を捉える以前に、話を聞く姿勢そのものができていません。自分自身がこんな状態だと、相手が話をしても「早く終わってくれ!」という気持ちばかりが高まり、相手の話をほぼ聞いていない状態になります。自分の心の余裕を持たせるようにするためには、こういう忙しい状態にならないようにきちんと業務計画を立てて進めるなどの自己改革が必要になります(ブログ「◇86. 1日の計画を最重要視しよう!」参照)。また、相手が話をしてきたらいったん自分の仕事の手は止めて相手がしてくる話に集中する必要があります。本当に手が離せないのであれば、「今ちょっと手が離せないので、あとでお話を聞いてもいいですか?」とその場で話をしてくるのを断るべきです。どちらにせよ、相手の話を聞くときは「自分自身の心の余裕を持たせた状態」で聞くことが大事になりますね。

理由に注目

 相手の話を聞くとき、ただのんべんだらりと全部聞くのではなく、「その話をするのはどういう理由からなのか?」に注目して聞くようにするのです。すると、ここからその人が最も言いたいこと、すなわち本質が見えてくるようになります。たとえば会社のある人が「会議は有意義なものにすべきだと思います。現状の会議では伝達が中心で出席者が出席する意義をあまり感じていないようにも思えます。議題を立ててそれについて話し合うという形式をとらないとただ参加しているだけの状態になります。伝達するだけならメールだけで済ませることもできます。確かにその一方で大量のメールでその内容をきちんと見ない人も多いことから顔を合わせていくことが大事なのは分かります。しかし、それは社内の掲示板も併用するなどの工夫をすればいいだけの話です。せっかくみんなで顔を合わせるのなら、会議は1つの議題に対して議論を交わし、より良いものを作り上げていくようにしていくべきです。私はそういう会議を望んでいます」という意見を言ったとします。さあ、この人の話の本質は分かりましたか?前述の人の発言は文を短く切って明確に伝えていますから、話の本質はつかみやすかったかもしれませんね。この人の話の本質は「会議は1つの議題に対して議論を交わすようにすべきで、伝達だけの会議にすべきではない」になります。これは「現状の会議では伝達が中心で出席者が出席する意義をあまり感じていないようにも思えます」という理由に注目すると、これがつかめるようになってくるというわけです。

要約の練習をする

 あなたは文章の要約は得意ですか?前述の内容を見てピンときた方もおられるかと思いますが、相手の話の本質をとらえるというのは、「相手の話を要約する」ことなのです。要約とは「一言(一文)で言うと何なのか」になります。これは相手の話の本質がつかめて初めてできることになりますよね。こう言うと、「えー、要約は昔から苦手でそもそもどうやって要約していいかが分からない」という方も多いかと思います。実はこれはそんなに難しいことではありません。本を読んで段落ごとに「この段落を一言で言うと何になるか」を自分なりにまとめる練習をすればいいのです。そうすると「どういう風にまとめたらいいのかが分からないのです」という方もおられるかと思います。このコツはその段落でいちばん大事だと思える文の主語と述語に注目することです。前述の会議の提案をした人の発言で考えてみると、主語は「会議は」になるのは分かりますよね。述語はその人が「最も言いたいこと」で使っている表現に注目します。だいたい文末が「~すべき」とか「~するのが理想」とか「~したほうがいい」という表現で表されます。すると「~べきです」という表現が出てきますよね。これに含まれる文章が本質となってくるのであり、要約もこの文を使ってするとうまくいくようになるのです。ですからぜひこのようにして要約の練習をやってみてください。

確認することも必要

 このようにして、相手の話の理由に注目し、いちばん言いたいことだと思われる主語と述語を拾い出す訓練を重ねていくことで相手の話の本質をつかめるようになってきます。ただ、聞いた話が相手の真意かどうか疑わしいときも出てきますよね。本音はそうではないのではないかとか、自分が「こうではないか」という先入観を持って聞いていたりすると、本当にそうなのか自信が持てないこともあります。そういうときは相手に直接そうなのかどうかの確認を入れていくのがよいです。それを省略して自分の憶測だけで「こうではないか」と決めつけていると、それは相手の話の本質をつかんだことにはなりません。それどころか誤解を生んでトラブルに発展することだってあり得ます。ですからちょっとでも疑わしいことが出てきたらその場ですぐ相手に聞くようにしてください。それによって誤解を防ぎ、相手の本質を正確に捉えることができるようになってきます。

相手が本質が何かを分かっていない場合

 これは相手が子どもの場合に多いのですが、相手が何が本質かが分からずに話をしている場合があります。また、大人であっても自分がその内容をあまり理解しないまま相手に伝えようとしたり、話の内容は分かっていてもそれを整理しないまま相手に伝えようとしたときにこういうことがよく起こります。相手の話を聞いて「本質が分かってないなあ」と感じたら、それを指摘してあげることも大切です。それによって相手も自分で話していた内容の本質をつかむことができるようになります。このように自分自身を鍛えながら相手も鍛えていくという姿勢は非常に大事になりますね。

 以上になります。今回は人間関係をよくするために相手の話の本質をつかめるようになるにはどのようにすればいいかについて述べていきました。

 相手の話の本質をつかめるようになるためには、そもそも相手の話をじっくりと聞ける姿勢が大事になりますから、自分が忙しい状態になっているのなら業務計画をきちんと立てるなどの自己改革をきちんと行う必要があります。その姿勢がきちんとできるようになれば、相手の話を聞くときは理由に着目して聞くようにし、その中でいちばん大切だろうと思われる部分の主語と述語を拾い出すように聞いていきます。まさにその部分がその人の話の本質になります。ただ、そこで得られた本質が本当に合っているかどうか疑わしいときも出てきますから、そのときはその場でその人に確認を入れることも大切になってくるというわけです。今回述べた内容をきちんと実践すれば、あなたも相手の話の本質がつかめるようになり、あなたのことを好きになる人が増え、今よりもいい人間関係ができあがっていくはずです。ぜひ徹底してやってみてください。ではまた次回お会いしましょう!!

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