◇133. 依頼された業務が合理的かどうかを見極めよう!

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花賀 咲象

花賀 咲象

 学習塾指導歴31年で、授業もこなしながら、カウンセリング・コーチング業務も行っております。
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 教育・心理カウンセラーの花賀作象です。前回は仕事上で「仕方がない」と思えるようなことが出てきたときは、それはたいてい軽微なものであることが多いことからそのまま放置されてしまうことが非常の多いのですが、この気持ちを反転させて積極的に打開策を見出していく姿勢を身につけるようになるためにはどうしたらいいのかについて述べていきました。

 今回は「依頼された業務が合理的か否かを見極めよう!」になります。あなたは上司から自分がやりたくない業務依頼を受けたとき、その業務をすることが合理的かどうかを考えたことはありますか?もしその業務が顧客のために必要なことだった場合は、自分が感じたやりたくない気持ちを押し通すとクレームなどのとんでもないことに発展することがあります。その一方でその依頼された業務が無駄な業務で、やる必要のないものである可能性もあります。ということは、あなた自身がその業務をすることが合理的なのかどうかを見分けられる目を持っていたら、その「やりたくない」が正当なものなのかどうかを判断できますよね。ここからは上司からの業務依頼を「やりたくない」と感じたときに、どのようにすれば、その依頼された業務が理的か否かを見極められるようになるかについて述べていきますよ!!

上司の顧客に対する思いの確認

 上司から自分がやりたくない業務の依頼を受けたとき、「その仕事はやりたくありません」とストレートに言える人はいませんよね。突然そんなことを言ってしまうと、「こいつはやる気がない」とみなされ、かなり低い評価をされてしまいます。そういうときはそれをストレートに言わずに「その業務にどんな意味があるのですか?」という尋ね方をするとよいです。こう聞くことによって、その業務依頼をした上司が顧客に対してどれだけの思いを持っているかが分かります。その業務依頼が顧客のために本当に必要なものなのであれば、その上司はそれをきっと熱く語るはずです。それによりその上司が顧客に対してどれだけの愛情を抱いているかも分かってきます。上司からそのような熱い話を聞けたなら、あなたも最初は「やりたくない」と思っていたとしても、その顧客のために「頑張ってやり遂げるぞ!」という気持ちに変化しますよね。そうなるとその業務も気持ちよく引き受けることができるというわけです。

 その一方で、その業務依頼が上司の単なる思い付きとか、自分が楽をするためという理由だった場合はどうでしょうか?その場合に「その業務に何の意味があるのですか?」とあなたが聞くことでその上司は当然のことながらうまく説明ができません。だからそれにイラついて「必要だから言っているんだ!」とか「そんなことは考えなくていい!言われたことだけをすればいいんだ!」という感じで圧力をかけてその業務を何とかあなたにさせようとしてきます。この場合のあなたの「やりたくない」という気持ちは正当なものになります。ですから、あなたはその依頼を堂々と断るとよいです。「え!?上司からそんな圧力をかけられたら断りにくくなるんですけど…」という方も多いかと思います。では、そんなときにどのように断ればいいかを次に述べていきます。

優先順の高さを理由に断る

 あなたは普段の業務に優先順位をつけて業務を進めていますか?ルーティン業務ばかりしていると特に優先順位をつけなくても業務が進むことから優先順位をつけずに業務をする人は非常に多いのですが、これができていないと上司からやりたくない業務を依頼されたときに断りにくくなります。優先順位については、私のブログ「◇83. 優先順位のつけ方をマスターしよう!」で詳細に述べていますから、ぜひこちらも併せて読んで優先順位のつけ方を完全にマスターするようにしてください。

 ここでは簡単に述べますが、基本的に優先順位は重要度と緊急性の2つで見ていきます。どちらの方が優先かと言いますと、それは「重要度の高いもの」になります。「緊急かつ重要」なものが最優先になるのは間違いありません。これは顧客から「大急ぎで仕上げてほしい」という依頼を受けた場合や、顧客からのクレームがこれに当たります。問題は次の順位に来る「緊急ではないが重要」なものと「重要ではないが緊急」のものではどちらを優先すべきかということです。これは迷いますよね。具体例を挙げますと、「緊急ではないが重要」なものは、顧客から別に急ぐ必要のない依頼を受けたときがこれに当たります。「重要ではないが緊急」のものは、同僚から電話等で緊急にしてほしいという依頼を受けたが別にすぐにやらなくても支障が出ないようなものがこれに当たります。ここまで申し上げるともうお分かりですよね。そうです。「緊急ではないが重要」のほうが大事で優先されるべきなのです。このような感じで自分の業務に優先順位をつける癖をつけていると、本当に重要な業務だけに集中することができますし、上司から「やりたくない」業務の依頼を受けたときに、自分が今手掛けている業務のほうが優先順位が高いことを主張して、その業務依頼を断ることができるのです。優先順位をつけることは、自分の仕事を効率よく進めるためには大事なことですが、これをすることによって上司の余計な業務依頼を断ることもできますから、「優先順位をつける」というのは仕事をする上で「最強のアイテム」になりますね。

計画通りに進まないことを理由に断る

 これも他のブログで再三申し上げていることにはなりますが、あなたは業務を始める前にきちんとその日の業務計画を立ててから始めていますか?もしきちんと計画を立てていないというのであれば、私のブログ「◇86. 1日の計画を最重要視しよう!」で詳細に述べていますからこれも併せて読んで業務計画をきちんと立ててから毎日の業務に励むようにしてください。

 1日の業務計画を立てるメリットは何といっても「時間短縮」になります。何の業務をどの時間帯でするのかを15分刻みで計画を立てていると、業務に集中できますから、「短時間で」しかもその業務に集中していることから「丁寧に」仕事を進めることができるのです。すなわち「迅速かつ丁寧」な業務を行うことができるようになるということです。私がこの「15分刻みの計画」を他のブログでも再三強く推奨しているのはこういう理由からです。さらにはこの計画も15分でできないことを前提にして余裕を持たせた計画を立てるということも大事になります。そうすると、もし実際に早くできればその時間は空くのでかなりの余裕ができることになります。それを自分の休憩時間に充ててもいいし、業務改善のための考える時間に充ててもいいし、他の業務を進めてもいいですし、他のスタッフの業務の手伝いをしてもいいわけです。

 このような感じで15分刻みの計画を立てていると、見た目は業務だけの計画でビッシリ詰まっているように見えます。それを利用するのです。「顧客のため」とは無関係な自分の単なる思い付きや自分が楽をしたいという思いで業務依頼してくる上司に対してはその計画を見せ、「本日こういう計画で業務をする予定でいますが、その業務をやるとしたらどこに入れたらいいですか?」と言うのです。それを見た上司はさすがに「この休憩時間を削ってでもやれ!」とまでは言えませんから、あなたに業務依頼するのを諦めて引き下がっていくことになるのです。これでお分かりですか?1日の業務計画を立てるというのは、その日の業務時間の短縮に繋がるだけでなく、上司の不当な業務依頼を断ることもできるのです。この1日の業務計画も前述の優先順位をつけることと並んで「最強のアイテム」ということができますね。

上司のために仕事をしているのではない

 私は他のブログで上司の仕事を手伝うことの重要性を訴えたり(ブログ「◇66. 仕事で「役に立とう」という意識を持とう!」参照)、リーダー(上司)に賢明に仕えることの大切さを訴えたりしていますが(ブログ「◇52. リーダーには賢明に仕えよう!」参照)、これは別に「上司のために仕事をせよ」と言っているわけではありません。再三申しあげているように仕事はあくまでも「顧客のため」です。上司からの依頼も「顧客のため」に基づくものならその依頼を受ける価値はありますが、自分が楽したいなどの自分の都合だけで依頼してくる場合は断ったほうがその上司のためになります。部署の誰かがそういう依頼を断るようになると、他の人もそれを真似して断るようになってきます。そうなったとき、上司も「自分が楽をするための業務依頼をしてはいけない」ということに気づかされるのです。ですからあなたも仕事というのはあくまでも「顧客のため」なのであり、その観点で上司からの業務依頼を見るようにしてみてください。すると、その業務依頼が合理的かどうかが見えてきます。それによってあなたは本当に「顧客のため」に本当に重要な業務だけに集中することができるようになるのです。

 以上になります。今回は上司から依頼された業務を「やりたくない」と感じたときに、その気持ちが正当なものかどうかを判断するためにどのようにすればその依頼が合理的かどうかが分かるようになるかについて述べていきました。前述の通り、あなた自身が仕事を「顧客のため」に行い、業務に優先順位をつけて1日の業務計画をきちんと立ててやっていくことで、その業務依頼が合理的かどうかが容易に判断できるようになってきます。ですから今回の内容を必ず実践し、あなたも上司から依頼された業務が合理的かどうかを見極められる目を養ってください。ではまた次回お会いしましょう!!

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