◇132. 「仕方がない」の次の一手を考える癖をつけよう!

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花賀 咲象

花賀 咲象

 学習塾指導歴31年で、授業もこなしながら、カウンセリング・コーチング業務も行っております。
 このブログは自己啓発本を読んだだけでは分からない経験的・実践的な内容を加味して書いています。ですからみなさんが今後経済的に豊かになりたいという人生の目標の達成に必ず貢献できる内容になっているという自負があります。ですからぜひこのブログを毎日読み、日々成長することに努め、自分の人生に生きがいを持てるようにしていきましょう!

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 教育・心理カウンセラーの花賀作象です。前回は自分が現在の職場を退職するということになったときに、上司から「人手が足りなくなるから」という理由ではなく、「有能なあなたを失いたくないから」という理由で引き止められるような存在になるためには、普段からどういうことを心掛け、どういう行動をとっていけばいいかについて述べていきました。

 今回は「『仕方がない』の次の一手を考える癖をつけよう」になります。「仕方がないなあ」とか「しょうがないなあ」という言葉はつい出てしまう言葉ですよね。ただ、この言葉で終わってしまっているところはありませんか?この「仕方がない」という言葉は何かをするのに「半分諦めている状態」ですよね。あなたはここから何か打開策を考えていますか?このように聞くと大半の方は“NO”と答えます。すなわちその時点でその方法を諦めてしまっているわけです。ここからいったいどのようにすれば「仕方がないなあ」という状態から、この気持ちを反転させ、積極的に打開策を見出していく姿勢を身につける方法について述べていきますよ!!

同じ失敗を繰り返している

 小学校の音楽の授業で習った「やぎさんゆうびん」は覚えていますか?しろやぎさんからくろやぎさんにお手紙が来て、くろやぎさんが読まずにその手紙を食べてしまうんですよね。そこでくろやぎさんは「仕方がないのでお手紙書いた さっきの手紙のご用事なあに」と、新たな手紙をしろやぎさんに送り、しろやぎさんも同じ失敗をしてしまうわけです。こういう話を聞くと、「こんなことするなんてバカだなあ」と他人事のように思うだけで終わっているところはありませんか?

 これを現代版で考えてみますと、職場のいろいろなスタッフから毎日たくさんメールが自分のところに届くことから、これに嫌気がさして普段からどのメールもザっとしか読まない癖がある人は非常に多いですよね。あるスタッフから数日前に重要なメールが届き、これをどこかでやらなければいけないという意識は持っていたので、それをそろそろやろうかとそのメールを探していたら、あまりのメールの多さにいつ送られてきたものなのかが分からず、それを探し出すのに膨大な時間を取られたという経験をしたことはありませんか?これで見つかればまだいいほうで、見つからない、もしく探すのに嫌気がさしてしまったという理由で、結局それを送ってきた人に再送のお願いをする羽目になることもよく聞く話です。さらに悪いことには、その内容のメールを送ったスタッフも「あれ?いつ送ったっけ?」とそのメールを送信した日を覚えておらず、自分の送信したメールの中からそのメールを探し出すのに膨大な時間を取られるのです。そしてやっとの思いで見つかって聞いてきたスタッフに再送するわけですが、この時点で双方ともにこれに対する改善策を何も立てないことから、永遠に同じ失敗を繰り返すというわけです。これはまさに「やぎさんゆうびん」の現代版ですよね。

大半の人は「仕方がない」で終わらせている

 なぜこのような失敗を繰り返すのでしょうか?これを改善するにはここから考えていく必要があります。前述の例で申しあげますと、メールは結構自分に直接関係ない内容のものも大量に送られてくることが多いので、これらのメールを見ない、もしくは適当にザっと見るのが大半だと思います。これは本当に「仕方がない」ことになりますよね。社内メールというのは少しでもそれに関係がある人には㏄をつけて送るのが普通になっています。特定の人にだけ社内の情報がいくのも問題が出てきますから、これをやめさせるわけにもいかないわけです。ここで何が問題になってくるかといいますと、大半の人がこれを「仕方がない」で終わらせてしまっていることなのです。「仕方がない」と思うようなことは、顧客とは直接関係しないものが多く、直ちに改善をしないといけないほど切羽詰まったものでもないので「軽く見てしまう」傾向があるのです。中にはどうすればこの状態を改善できるのかを考えて行動できる人もいますが、これができる人はごく少数で、大半の人はこの改善に何ら努めようともしません。結局このような姿勢が同じ失敗を繰り返しているのです。

仕事に対する甘えをなくす

 こういう失敗を繰り返してしまうのは、「(特に対策をしなくても)何とかなるだろう」という甘い考え方が背景にあるからです。前述までのメールの例で言えば、毎日届くメールのうち、本当に重要なメールはごくわずかにすぎず、そのわずかなメールのためだけに対策を取るだけの時間的余裕がない、もしくはその対策の時間を取るのがもったいないと考えているのです。たとえそのメールが見当たらなかったとしても最悪そのメールを送信した人に再送してもらえばいいわけで、これを緊急に何とかしなければならないという切迫感はまるでないわけです。だから何回失敗してもこれが直らないのです。

 ただ、よく考えてみてください。こんなことを繰り返してあなたの成長はありますか?あなたが顧客の立場だったとしたら、こういう失敗を繰り返す人にお金を払って何かをしてもらいたいと思いますか?そうですね。思わないですよね。誰でもこんないい加減な人に仕事を頼みたいとは思わないのです。

 であれば、あなたは直ちにこういう仕事に対する甘えは捨ててください。こういう甘えは自分をダメにするばかりか顧客や他のスタッフにも迷惑をかけます。仕事は「顧客のため」に行うものであり、「自分の都合(状況)のため」に行うものではありません。このことをしっかり抱いた上で普段の業務に励むことを心掛けるようにしてください。

次の一手を考える

 前述までのメールの例で申しあげますと、確かにメールであれば大半が自分には関係ないものになりますから、ザっと目を通すだけになってしまうのは「仕方がない」かと思います。大事なのはここからです。ここからの「次の一手を考える」ことが極めて重要になるのです。次の一手を考えるには、次の3点が必要です。①何が問題なのかを紙(手帳)に書き出す、②それらを解決するための具体策を書く、③実行に移す、になります。

①何が問題なのかを書き出す

 前述のメールの例で言えば、「重要なメールとその他のメールを識別できるようにしていない」、「重要なメールにもかかわらずその内容の詳細を自分の手帳に書いていない」の2点がそうです。このようにまず最初に自分のどういうところに問題があるかを書き出すことが重要になってきます。

②それらを解決するための具体策を書く

 これも前述のメールの例で言うなら、「メールを重要なものとその他のメールに自動で振り分けする設定をする」、「重要なメールに重要マークをその場で入力する」、「重要な内容のメールを見たらその場ですぐに手帳にメモを取る」という感じで具体策を書きます。書き出した問題点をどうすれば解決できるかすぐに実行できるものを書くのがポイントです。

③実行に移す

 具体策を書けたらあとはそれを実行に移すだけです。後回しにするのではなく、すぐに実行することが大事です。メールの例で言えば、それによってここから先に届くメールは完全に振り分けられ、重要マークもその場で自分からつけるようになります。しかも重要なメールをきちんとメモすることによって、あとでメールを探すことに膨大な時間を取られることもなくなるということです。

 以上になります。今回は普段の業務をする中で「仕方がない」と思うようなことが出てきたとき、どのようにすればそれをそのまま放置するのではなく、その気持ちを反転させて積極的に打開策を見いだせるようになるかについて述べてきました。

 仕事上でやぎさんゆうびんの歌詞に出てくるうような失敗を繰り返してしまうのは、結局仕事に対する甘えがあることが原因になっています。顧客のことを本気で考えるならこういう甘えは一切捨てる必要があります。というのは、顧客は自分がお金を出すからには努力して自分を向上させる人に担当してもらいたいのであって、同じ失敗を繰り返すいい加減な人には担当してもらいたくないからです。それをしっかり意識した上で「顧客のために」という意識を強く持って行動するようになれば、今後は同じ失敗を放置しようとは思わなくなります。

 そうなると「仕方がない」と思うようなことが出てきたときに「次の一手」を考えるようになってきます。それは何が問題なのかを書き出し、それらを解決するための具体策を書き、それらを実行に移すだけです。それができるようになれば、あなたは二度と同じ失敗を繰り返すようなことがなくなるのです。今回述べた内容をしっかり実践し、顧客と直接関係ないようなことでも同じ失敗は繰り返さないことを心掛け、そういう問題に対してはすぐに打開策を立てて実行できるようにしてください。それがあなたを確実に成長させていくことに繋がっていきますよ。ではまた次回お会いしましょう!!

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