教育・心理カウンセラーの花賀作象です。前回は普段の業務で疲れ切っている状態ではなかなかいいひらめきが出てこないですが、これをどのようにすれば自分がめざすものに関するいいひらめきが思い浮かぶようになれるかについて述べていきました。
今回は「相手との相違点を尊重しよう!」になります。誰でも「こうしたほうが絶対にいい」とか「こちらの方が正しい」と思い、それが相手と意見が違うときはなかなか相手の意見を受け入れ難くなる気持ちになるころがありますよね。しかし、あなたの考え方が絶対的に正しいとも限らないわけで、そういうときに相手の意見を反射的にはねのけるのではなく、いったん受け入れてその違いを尊重していく姿勢は、自分自身の成長を考えていく上で極めて大事なことになります。今から具体的にどのようにすれば相手との相違点を尊重できるようになり、それを生かせるようになっていくかについて述べていきますよ!!
目次
考え方は違って当たり前
昔、芸能人の離婚会見などを見ていた時に、よく「価値観が違うので…」という理由を述べていたことが多い時期がありました。これは非常に悲しいことですよね。というのは、「私は相手の考えを受け入れる気は全くございませんので…」と言っているようなものだからです。人というのは誰でも育った環境は違いますから、全く同じ価値観の人がいることはありません。それは同じ環境で暮らす家族であっても同様で、兄弟喧嘩や親子喧嘩が起こるのはまさに考え方の違いからですよね。自分と考え方が違う人を毛嫌いする人もいますが、こういう自分の考えだけに固執する姿勢を持っている人は、基本的に他人と仲良くすることができないので孤立する傾向があります。ですから「考え方は人によって違って当たり前」という考え方を常に持ち、むしろ相手がどういう意見を持っているのかを真剣に聞く姿勢こそが大事になってくるのです。
相手の話を傾聴する
相手の話を「きく」には3種類あるのはご存じでしたか?それは「聞く」「訊く」「聴く」になります。「聞く」は、相手の話を「ただ聞いているだけ」の状態です。「聞こえている」というほうが正確になりますね。ですから洗い物や掃除をしながら子どもの話を聞くのもこの「聞く」になります。
「訊く」はどちらかというと「問う」とか「尋ねる」という意味になるのですが、「問うために聞く」すなわち「自分の意見を言うために相手の話を聞く」のがこの「訊く」です。これは相手の話の中で「どこで反論してやろうか」と考えながら聞くことから「自分のために話を聞く」ことになります。
「聴く」は相手の話を「心を込めて聞く」ことで、「傾聴する」とも言われています。これは相手の話を聞くレベルで最も高いものであり、まさに「相手のために話を聞く」ものになっています。
誰でもあなたの話を相手が何か作業をしながら「ただ聞いているだけ」とか、あなたの話したことに反論するために相手があなたの話を聞いているのでは、あなた自身も話をする気が失せてきますよね。だから相手の話を「聴く」すなわち「傾聴する」ことが大事になるのです。
先入観を持たずに聴く
あなたは相手の話を「こう考えているに違いない」とか「普段からこういう習性があるからきっとこう考えているのだろう」と予測して聞いていることはありませんか?こういう予測をしていては相手の真意を掴めません。こういう先入観を持って相手の話を聞くことは、相手が本当にそう考えているかどうかは別として、その考えがあなたの基準になっていますからその基準を基にねじ曲がった解釈をして相手の話を自分に取り入れる可能性が大になるのです。ですからあなたの頭の中では相手の考えを予測したり決めつけたりするようなことがない「真っ白な状態」、すなわち先入観を一切持たない状態で相手の話を「聴く」ことが相手の真意を引き出すための大事なことになるということです。
反論する人は相手の話の一部しか聞いていない
すぐ反論したがる人はどこにでもいるものですが、こういう人は相手の話を最初から最後まで聞くことはありません。前述のように相手に反論するために聞くというのは、相手の話に口出しをするために聞くことになることから「訊く」に当たりますが、相手の話の中で、自分が反論の材料にできる一部分だけを取り上げて攻撃してくるのです。そこに相手を尊重する気持ちはありません。とにかく「自分の方が正しい」という「押し付け」を一方的にしてくるのです。だからこういう人は相手と分かり合えるはずがありません。もし相手を尊重する気持ちがあるなら、相手の話を最初から最後まで心を込めて「聴く」ようにするはずです。ですからあなた自身は決してこのような人物にならないように他人の話を傾聴することを常に心がけるようにしてください。
傾聴で相手との相違点は自然に尊重できる
さあ、ここまでのところで相手の話は心を込めて聞くという「傾聴」の大切さはご理解いただけましたね。では、ここからはいよいよ今回の本題にもなっている「相手との相違点を尊重する」ところに入っていきます。相手の話を先入観を持たずに聴くことの大切さは前述したとおりですが、その話を聞いている途中段階でも「それは違うんだけどなあ」と考えながら聞いてしまうことも先入観を持って聞いていることになります。これは「訊く」なのであり、「聴く」ではありません。ですから、相手が話をしている間は自分の考えは一切排除する必要があるということなのです。
そのようにして相手の話を最初から最後まで傾聴していると、「そういう考えを持っていたのか」という相手の真意が見えてきます。不思議なことに相手の真意が見えてくると、それを尊重する気持ちが自然に出てきます。そして一見自分と意見が違っているようで実は目指しているものは相手と同じものだったということもザラにあります。そういった場合は相手を批判するよりも双方で「どういうやり方をするのがベストか?」と話し合って決めた方が断然いいやり方ができるようになりますよね。そうすることによってかなり強固な協力関係ができあがりますから、その中で作られたものはかなりいいものが作られる結果となるわけです。
顧客により良いものを提供することを第一に考える
商品というのはそれが「顧客が求めるもの」なのであればどんどん売れていきますよね。そうではなく「自分のやりたいを優先して作ったもの」だとどうでしょうか?それは顧客が「そんなのいらない」と思えば全く売れませんよね。顧客というのは他人にほかなりませんから、他人の考えを取り入れることができない人は売れる商品を作ることはできないのです。意見の対立も「顧客は○○を求めているからこうしたほうがいい」、「こういうことを求めている顧客もいるから△△したほうがいい」なのであれば、すごくいい対立ですよね。というのは双方ともに顧客のことを考えているからです。このように双方ともに顧客のことを考えている場合は、基本的に双方とも他人の意見を取り入れる姿勢を持っているので、双方で話し合ってより良いものを作っていくことができるのです。
ここで出てくるのが「もし相手が自分の方が正しいと言い張る人だったらどうするのか?」という問題です。この場合でもあなたはきちんと相手の話を傾聴すればいいです。すると相手の態度も変わり、あなたの話を傾聴するようになってきます。実はすぐ反論してくる人というのは、「自分の話をきちんと聞いてくれていない」という不満を持っている場合が多いのです。ですからこれをあなたがきちんと聞いてあげる、すなわち「傾聴」してあげることで相手の態度もコロっと変わってしまうようになるのです。それだけ「傾聴」のパワーというのはすごいのです。ですからあなたはどんなときでも常に相手の話を「傾聴」することを心掛けるようにしてください。それによりあなたは相手との相違点も自然に尊重できるようになりますし、相手もあなたとの相違点を尊重するようになりますよ。
以上になります。今回は相手が違う考えを持っているときに、それに批判したり反論したりするのではなく、まずは先入観を全く持たない状態で「聴く」ことが大事になってきますが、このように相手の話を「聴く」ようになるためにはどのようなことをしていけばいいかについて述べていきました。
前述のように人は誰でも育った環境が違うことからいろいろな考え方があるのは当たり前であることをまず第一に考える必要があります。そして、相手の話は常に心を込めて聞く「傾聴」をすることを心掛け、相手の話を最初から最後まで先入観を全く持たずに聴くことが大事になってきます。そうすることによって相手との相違点も自然に尊重するようになってくるので、そこから双方の話し合いでより良いものを作り上げることができるということです。今回述べた内容をぜひ実践して常に傾聴することを心掛け、顧客により良いものを提供するためにもぜひ相手との相違点を尊重できるようになってください。ではまた次回お会いしましょう!!