教育・心理カウンセラーの花賀作象です。前回は、「~しなければならない」という義務感ばかりの作業がたまっていくと誰でも次第にやる気がなくなっていき、しかもそこからなかなか抜け出せない義務感地獄に陥ってしまうことから、どのようにすればこうした義務感地獄から解放されるようになるかについて述べていきました。
今回は「『それでいい』を『それがいい』に変えよう!」になります。あなたは無意識のうちに「それでいいです」という言葉を使っていませんか?「それでいい」ということは「特にそれをしたい(それがほしい)わけではありませんが、別に構いません」という意味で言っていますよね。そうやって特にやりたいわけではないものを自分で抱えたり、欲しいわけではないものをもらったりしている毎日を過ごしているわけです。この世の中は自分の思い通りにいかないことが多いことからほとんどの人が「それでいいです」という言葉を無意識に言ってしまう癖がついています。これでは自分が本当にやりたいこと(ほしいもの)ではないので、あなた自身が面白くないですよね。今からこの「それでいい」を「それがいい」に変えていくようにするためにはどのようなことをしていけばいいかについて述べていきますよ!!
目次
自分の意思のない世の中
私たちは小学校時代から集団生活の中で規律を守ることが重視されるとともに、授業も学校の先生から「教えてもらう」形式で進められていきます。これが「言われたことをきちんとやっていればいい」という考え方を定着させ、学年が上がるにしたがってだんだんと自分で考えて行動することを面倒臭がるようになるのです。そのような状態が続くと自分の意思を持たない状態になってしまうことから、自分が本当にやりたいことを考えることなくただ、「給料がいい」とか「福利厚生が整っている」などの理由で仕事を選んでいくようになります。さらに就職後も上司から言われたことをきちんとこなしさえすれば、少しずつ給与が上がっていくので、上げ幅に少々不満はあってもこの状態を継続することを自ら選択してしまっているのです。あなたもこのような状態になっているところはありませんか?
自分の意思を持つと否定される
そして、「言われるがままに仕事をしている自分」にだんだんと疑問を持つようになり、自分が本当にやってみたいことを主張し始めると、それは必ず否定されます。特に仕事に関しては、たとえ少なくても安定的な給料が失われることへの恐怖感が大きくなることから、家族それも配偶者からの大反対を受けます。その反対を受けて簡単に諦めてしまう人が非常に多いのが現在の世の中なのです。
思いつきによる「やりたい」は危険
あなたも経験があると思いますが、自分のその場の思いつきだけの「やりたい」を実行するとたいてい失敗します。それはだいたいその場で何か話を聞いたとか何かを見たとかで「瞬間的にやってみたい」と思っただけで、自分が心底からやってみたいわけではないからです。しかも、そういう思いつきは「どうやってそれを実現させるか」という具体策まで考えていませんから、ただ「~になったらいいのになあ」と思うだけの願望に過ぎません。願望を抱くだけなら誰でもできるのであり、それを実現できるかどうかは全く別問題になるのです。そういう実現できるかどうかも分からないことをいくら主張したところで誰も納得しません。ですからこういうその場の思いつきだけで「やってみたい」と言っても、その主張は当然のごとく否定されてしまうのです。
きちんと目標を立てることが第一歩
あなたが自分が今思っていることを本当にやりたいと思っているのなら、それをいつまでに実現するのかの期限付きで目標をきちんと立てる必要があります。目標の立て方については私のブログ「◇1. 今年の目標を立てよう!」で詳細に述べていますから、まだ目標を立てていない方はこちらをぜひ読んで目標を立ててみてください。
そうやって実際に目標を立ててみると、それを実現するための具体策をいつどのように進めていくかの行動計画が必要になってきます。行動計画の立て方は私のブログ「◇3. 今年の行動計画を立てよう!」で詳細に述べていますから、こちらを参考にして計画を立ててみるようにしてください。
あなたがここまでの準備をして自分のやりたいことを主張するとどうでしょうか?それでも配偶者などは生活の安定の観点から反対する可能性が大ですが、あなたの意思がかなり強固で、「必ず成し遂げる!」という思いでその具体策を実行していたら、その姿を見ている配偶者の考え方は変わってきますよ。「そこまで考えているのならやってみたら」と。ですから物事を成し遂げるためにはその実現可能性をいかに高めていくことが重要になりますから、そのための第一歩として目標を立てることはきわめて重要になるのです。
自信が自分の意思を育む
自分で目標を立ててその具体策を毎日実行して、それがだんだんできるようになってくると、「この部分は実はこうなっている」とか「そうなるのはこういうところに理由があるからだ」という感じで自分が考えていることに根拠が持てるようになってきます。すると、そこから自分が考えていることに自信が持てるようになってきます。あなたがそういうレベルになってくると、発言も根拠を踏まえた発言になってくるのでかなりの説得力が出てきます。そうなると発言するのが楽しくなってきますよね。
そうやって自分に自信ができてくると、「それでいい」という言葉は使わなくなってきます。結局、「それでいい」という言葉は、自分がどうしていいのか分からないことに加えて自分に自信がないから出てくる言葉なのです。明確な目標を持って自分に自信が出てくるようになった人は「それがいい」とはっきり自分の意思を言うことができるようになってくるのです。すなわち自信が「それがいい」という自分の意思を明確にした言葉を育んでいくということなのです。
以上になります。今回は自分の意思を放棄した「それでいい」という言葉をどのようにすれば自分の意思を明確にした「それがいい」に変えていくかについて述べていきました。「それでいい」という言葉が出てくるのは、目標が定まっていないために自分の意思が明確になっていないことが最大の要因になっています。明確な目標を立てられていない人は、よくその場の思いつきだけで「~をやりたい」と主張する傾向がありますが、こういう思いつきはただの願望に過ぎず、ほとんどそれが実現することはありません。自分が本当にやりたいことを実現したいと思うのなら、まずはその目標を立て、その実現のための具体策を実行していくことが大切になります。それによってだんだんと自分の考えていることに根拠が持てるようになってきますから、そうなると自分に自信が出てくるようになります。ここまでのレベルになればもうあなたはやりたいことが明確で自信も持てるようになっていますから、「それでいい」ではなく、「それがいい」という自分の意思を明確にした言葉を自信を持って言うことができるようになるのです。ですから今回述べた内容をしっかり実践して、ぜひ「それでいい」ではなく「それがいい」とはっきり言えるようになってください。ではまた次回お会いしましょう!!