教育・心理カウンセラーの花賀作象です。前回は、「失敗は成功のもと」だと自分に言い聞かせていてもいざ実際の失敗を目の当たりにするともうこれが永久に続くような錯覚に陥って簡単に目標達成を諦めてしまう人が多い中、どのようにすれば失敗を生かして成功するための努力の継続に結び付けられるかについて述べていきました。
今回は「好調の時ほど分析しよう!」になります。分析することの大切さについては、前回のブログ「◇121. 失敗は計画と実行の賜物だと認識しよう!」でも少し触れていますが、目標達成に向けて諦めずに努力できる人も失敗したときには「何が原因でこうなったのか」をよく分析しても、調子よく進んでいるときはほとんど分析がなされることはありません。実は好調時ほど「なぜ今好調なのか」の分析を行っておくことはかなり大事で、これがきちんとできていると失敗したり不調な状態が続いたときにそれを生かして再び好調時の状態に戻すことができます。今からは好調時にどんなことを分析してどのようにしていけばそれを失敗したときや不調時に生かすことができるかについて述べていきますよ!!
目次
そもそも分析は何のためにやるのか
自分が立てた目標を達成するためにも現状分析はかなり大事なものになってきますが、そもそもこの分析は何のために行うのでしょうか?それは、現在の状態を正確に把握することで今後の意思決定や今度の行動(具体策)が正しい方向で行えるようにするためです。もし、これがきちんとなされていなくて間違った方向に向かっていることに気づかなければ、それに気づいたときにはとんでもない状態になっていることにもなりかねません。
それでも失敗時には比較的「どうしたら次に生かせるのか」を考えていきやすいですからその原因を分析して、そのときに方向性が間違っていることに気づくことができれば、それを修正することによってその失敗を生かすことができます。
しかし好調時に関しては、好調だからゆえに気分がよくなってその調子を続けようと思いますから、もし方向性が間違っていてもそれに気づくことはなかなかありません。しかも好調時に分析しようなどという発想は普通持ちませんから、「なぜ今好調なのか?」が分からないまま毎日を過ごすことになります。そうなると、調子が悪い状態に陥ったときに「どうしたらまた好調になれるのか?」が分かりませんから、ここからずっと調子が悪い状態が続くスランプに陥ってしまうのです。だからこそ好調時ほど分析をして現状を把握しておくことがすごく大事になってくるというわけです。
何を分析するのか
ここで何を分析したらいいのかが問題になってきます。問題が起こっているわけではないので、大半の人は「何をどう分析していいのか分からない」状態になります。目標を立てて具体策を計画通りに進めているときに分析すべきものは、具体策そのものになります。これは①具体策の進捗状況、②具体策の段階・難易度、③具体策ができるようになった時に得られるもの、④具体策が進む方向はあっているのかの4点で考えていくとよいです。
①具体策の進捗状況
好調のときは具体策が順調に進んでいるかと思います。ただ、それはすべての具体策が順調なのでしょうか?よく陥ってしまう罠が具体策を3つくらい同時に進めていて、1つが順調だと全てが順調だと錯覚してしまうことです。3つとも目標達成のためには欠かせないものなのに実際に進んでいるのは1つだけで、あとの2つはほとんど進んでいないというのであれば意味がありません。たとえば、ブログを書いて稼げるようになることを目標にしている人がその具体策として、専門知識を得るために毎日15分以上読書する、ブログを上達させるために平日は毎日ブログを書く、SNSで毎日ブログに関する内容を投稿する、の3つの策を立てたとします。ここでできているのは読書だけで、あとの2つはやったりやらなかったりの状態になっているような場合になっていることを考えてみてください。確かに読書が毎日できていると、それだけで必要な知識が得られますから、それだけで満足してしまい、ブログやSNSについては「やっている時間もないしやれるときにやれればいいや」なんてことを考えてやったりやらなかったりする状態を続けていたらどうでしょうか?いつまでたってもブログが書けるようにならないことが目に見えてきますよね。これではダメなのです。3つ同時にすることを具体策として立てたのなら、それを全てやりきるために「どこで時間を作るのか」を真剣に考えなければなりません。
このように目標達成のためには具体策が1つだけでいいというのは稀ですから、具体策を3つ立てたのであれば3つともきちんと進むように自分で計画と実行を管理することが大事になるのです。
②具体策の段階・難易度
具体策が完全にできるようになるために今具体策がどの段階にあるか現状を把握しておく必要があります。これは今具体策がどのくらいできるようになっているかを考えれば分かるかと思いますので、現時点でどの段階になるのかをここできちんと分析してみてください。次に、具体策の難易度分析が大事になってきます。順調にできるようになってきているということは、あなたにとって簡単にこなせるレベルになってきている可能性が大です。それをそのまま続けていてもこれ以上あなたのレベルは上がっていきませんよね。もっと難度の高いものに挑戦するか、別の具体策に切り替えるかの措置が必要になります。ただ、具体策というのは毎日続けている場合、習慣化されていることがほとんどなので、「何も考えずにただやっているだけ」の状態にも陥りやすいです。そうなると、自分のレベルが上がっていることにも気がつかず、そのままその具体策を続けていくと、あなたは「成長しない状態」が続くことになります。これでは具体策をやる意味がなくなってしまうので、現時点での具体策の難易度分析は行うようにしていきましょう。
③具体策ができるようになって得られるもの
「今やっている具体策ができるようになったら何が得られるのか」を改めて考えることは大事です。それはあなたが立てた目標達成には極めて大事なものになるからです。これを考えることで、「うーん?よく考えてみるとこれをできるようにする前にそれができるようになっておかないと意味がなくなってくるぞ!」ということに気がつくことがあります。そうなったときはすぐに修正できますよね。ところがこれをしておかないと、今やっている具体策ができるようになった時点で上記のことに気づくことになります。物事を会得するというのはだいたい順番があります。この順番を間違えると膨大な時間を取られてしまうことになることが多いですから、具体策ができるようになって何が得られるのかということはしっかり考えるようにしておきましょう。
④具体策が進む方向はあっているのか
たとえば前述の例で、ブログを書いて稼げるようになることを目標にしている人がブログを自分の専門性を高めるための内容ではなく、いろいろな内容を盛り込む雑記ブログを書くことを具体策として立てたとします。果たして「この方向性はあっているのか」が問題になります。結論から申しあげますと、いろいろなことを話題にする雑記ブログはあまり読まれません。だいたい誰もが専門的なことを求めて検索してきますから、ブログは専門的な内容1本に絞ってそれに沿った内容のブログを書いていく方が、同じように専門性を求めている人からのアクセス数が増えることになります。
このように具体策が進む方向性があっているのかを途中段階で検証することは非常に大切になります。これにより間違った方向へ行っていることを発見すればそれを直ちに取りやめて別の具体策を立てることができますからね。
分析の周期は1週間ごとが望ましい
分析の周期ですが、1週間ごとに見ていくのが望ましいです。私はブログ「◇1. 今年の目標を立てよう!」で、自分の人生の目標は1週間に1回ノート(紙)に書き出し、毎日2回(朝起きた時に1回、夜寝る前に1回)目標を声に出して読むことを推奨しています。これをする最大の理由は自分の潜在意識に目標と具体策を定着させて実行に移しやすくするためですが、自分が実行している具体策と書いた具体策との間に違和感があるかどうかを確かめるという意味もあります。1週間その具体策をやってみて、もしそこで違和感があれば、書いた具体策と実際やってみた具体策がかみ合っていない、すなわちその具体策を実行することそのものに問題がある可能性が大になるのです。この時に「もっとこうした方がいい」というアイデアが思い浮かべば、具体策を書き変えて次の1週間で実行していけばいいのです。そうやって具体策も1週間ごとに見直しをかけていくようにすれば、確実に目標達成に向かう具体策と化していくようになります。
以上になります。今回は目標達成のための具体策に対する分析は失敗時にはすることがあっても好調を持続しているときになされることはないことから、好調時のどのタイミングでどんなことを分析していけば、スランプに陥ったときでもその好調時の状態に戻すことができるかについて述べていきました。前述のように好調時は具体策が習慣化していたりすると、そのまま何も考えずにその具体策をしてしまう傾向が強いために余計に気をつけなければなりません。現時点で好調だからこそ「なぜ好調なのか?」をしっかり考え、週に1回それをしっかり分析することで、今後不調に陥ったり失敗をしたときに再び好調時の状態に戻しやすくなってきます。今回述べた内容をしっかり実践して、あなたも好調の状態をできるだけ維持して目標達成に向けた努力ができるようにしていってください。ではまた次回お会いしましょう!!