教育・心理カウンセラーの花賀作象です。前回は、日々の忙しい業務の中で仕事を「やらされている」と考えてしまうと「嫌だなあ」とか「つまらないなあ」という気持ちになり、仕事をすること自体が嫌になってくることから、いったいどのようにすれば仕事そのものを好きになってどんな仕事でも楽しんでできるようになれるかについて述べていきました。
今回のテーマは「真の『偉い人』になろう!」になります。誰でも「自分を認めてもらいたい」という承認欲求を持っています。この欲求が自分を成長させるためのエネルギーとして適度に発揮できれば問題はないのですが、これが行き過ぎると「周りから自分が偉いと思われたい」「自分はすごい人物なんだと思われたい」という実力以上の評価をもらうことを求める「自分を大きく見せたい願望」に発展します。よって、これはただ「偉い人だと思われたい人」であって、真の「偉い人」ではないですよね。では、ここからはどのようにすれば「偉い人だと思われたい人」から真の「偉い人」になることができるのかについて述べていきますよ!!
目次
「偉い人だと思われたい人」は「偉い人」になれない
なぜ自分を大きく見せたいという気持ちになるのかというのは極めて単純で、「もっと上の立場に立ちたい」「自分の給料を大幅にアップさせたい」というような上昇志向が強すぎるところがあるからです。これにプラスして「プライドが高い」こともその要因になっています。こういう人は自分のことを「レベルの高い人間」だと思っており、周りと同列に扱われることを嫌がります。すなわち「自分を特別扱いしてほしい」と思っているのです。しかし、実際はそこまでの実力はなく、自分への評価がそれほど高くないことに不満を抱き、何とか自分を大きく見せようとすることに躍起になるのです。このような人は「自分を大きく見せよう」とするところばかりに力が入り、本当にやるべきことは置き去りにされてしまいますから、いつまでたっても真の実力者すなわち真の「偉い人」にはなれないのです。
真の望みを考える
もしあなたが今まで「偉い人だと思われたい人」になっていた場合は、あなたはそもそも何を望んでいるのかをよく考えてみてください。偉い人だと思われることを望んでいるのですか?周りがあなたのことを偉い人だと思ってくれたら給料は低くても構わないですか?違いますよね。そもそもは「自分の給料(収入)をアップさせたい」ですよね。ということはあなたの真の望みは「自分の給料(収入)をアップさせる」ことであり、「周りから偉い人だと思われる」ことではないですよね。そうなると、いかに自分を大きく見せていくかにこだわるよりは「いかに自分の給料をアップさせるか」を考えるほうが得策になってくるというわけです。
給料(収入)の出所を考える
これであなたの真の望みは「自分の給料(収入)をアップさせること」であることが分かりました。次にあなたがもらっている給料はどこから出ているのかを考えていきます。これはなぜ会社(職場)にお金が集まってくるのか考えるとよく分かりますよね。そうです。顧客です。顧客がお金を支払ってくれるから(公務員の場合は国民や地域の住民が税金を払ってくれるから)お金が集まってくるのであり、そこからあなたの給料も出ています。ということはあなたが最も大切にしなければならないものは何になりますか?そうですね。顧客になりますね。こうして自分の給料がどこから出ているかを考えると、そのお金を支払ってくれている顧客をいかに大事にしなければならないかがよく分かりますよね。
顧客から信頼される人が真の「偉い人」
ここで少し考えていただきたいのですが、あなたが顧客の立場だったとします。2つの会社にあなたが欲しいと思っている商品があり、値段もほぼ同じなのでどちらかの会社でそれを購入しようと考えています。一方の会社の営業マンはプライドが高いのかかなり上から目線の話し方で自社の自慢もしており、言い方も「この商品を買うのがあなたのためになりますよ」という強気の感じで勧めてきます。もう一方の会社の営業マンはかなり謙虚な態度で、この商品のメリット・デメリットの両方を話し、こちらがどういうことで困っているのかを聞いてくれた上で、こういう使い方をすればその商品をうまく活用することができるという、まさに顧客の立場に立った柔らかい感じの話し方で勧めてきます。あなたはどちらの会社からその商品を購入しますか?そうですね。後者の会社ですよね。顧客は自分のことを偉いと思っているような人を嫌がります。後者のように顧客の立場に立ち、顧客が求めることをきちんと聞き出した上で最適な提案ができる人というのは顧客から信頼されるようになります。あなたがこのようになると、顧客にとってあなたは「偉い人だと思われたい人」ではなく、「偉い人」になりますよね。このように顧客から信頼される人こそが真の「偉い人」になれるのです。
顧客のための仕事が高評価に繋がる
ここまで述べたことから考えてみると、もう周りから偉く見られることなんかどうでもよくなってきたかと思います。結局「自分が偉い人だと思われたい」という思いを抱くことは、逆に「自分は偉くない」と自分で認めていることになります。だから何とかして周りから偉く見られようとその偽装工作に走るようになるのです。そんなことに自分のエネルギーを使うのはまさに「時間と労力の無駄遣い」でしかありません。だったら顧客のことを真剣に考え、顧客が求めていることを満たしてあげることにエネルギーを注いでいくほうが圧倒的に有益です。顧客は「あなたが自分(顧客)のためにどれだけのことをしてくれるのか」を見ているのであり、「あなたが職場でどんな評価を受けているのか」ということは考えません。要するに顧客は自分がいい商品を購入できればそれで満足なのです。その満足感を与えてくれる人が顧客にとって「偉い人」なのであり、その人に高い評価を出すのです。ですからあなたの職場での評価などは顧客にとってどうでもいいことになるのです。ということは自分が周りから偉いと思われるようにすることに力を注ぐことがいかにバカバカしいことかここからもお分かりになりますよね。
以上になります。今回は「偉い人だと思われたい人」から脱却して真の「偉い人」になるにはどのようにすればいいかについて述べていきました。誰でも「高い評価を受けたい」という気持ちを持っていますが、それが行き過ぎて「偉い人だと思われたい」という思いになってしまうと、それは自分の成長を阻害し、自分を偉く見せることにエネルギーを注いでしまうので、時間と労力を無駄に使ってしまうことになります。そうではなく、真の望みは「給料(収入)をアップさせること」になるわけですから、これを満たすために「顧客のために」行動することが大事です。顧客が何を望み、何を求めているかを正確に聞き出し、それに応える行動をとるようにすればあなたは確実に顧客から信頼されるようになります。すると、そのときこそあなたは顧客にとって「偉い人」となり、顧客から高い評価を受けるようになるのです。こうしたことが積み上がっていけばあなたの給料(収入)もどんどん上がっていきますよね。ですから今回述べた内容を必ず実践して、ぜひ真の「偉い人」になってください。ではまたお会いしましょう!!